michio sato について

つり人です。 休みの日にはひとりで海にボートで浮かんでいます。 魚はたまに釣れますが、 糸を垂らしているのはもっとわけのわからないものを探しているのです。 ほぼ毎日、さとう三千魚の詩と毎月15日にゲストの作品を掲載します。

ambiguity・あいまいさ

 

Michio Sato

 
 

Once

In the snow field
The wind is blowing

The fog flowed through the snow field
The fog flowed and disappeared in the forest

I saw such a scene

Almost
I forgot

In the ambiguity
I saw a certain thing

I felt like that

 

Almost
Still there

 

 

*タイトルは、twitterの「楽しい英単語」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

島影 19

 

白石ちえこ

 
 

愛知県 佐久島

一色の港から定期船で佐久島へ。
地図をたよりに、島のことをよく知らずに渡った。復路の船の時間まで、静かな島を歩いていると草はらに気持ちよさげに草を食む山羊がいて、目が合った。
ずいぶん後になって、この山羊の名はビリーだと知った。
島にはもう一頭、山羊がいて、名はノン、というらしかった。
たしかにのんびりとした島だった。
この写真を撮ったのは2007年。
もうずいぶん前のことだ。

 

 

 

夜の立体駐車場

 

工藤冬里

 
 

夜啼く鳥の囀りが
立体駐車場に反響し
ブラックバードに似たその高音は
西洋に合わせた管弦の
千切れた胡弓のようだ
浅い夜
あなたのしようとしていることを済ませなさい
と言われて出てきた
モールに人気はなく
非常ボタンを押して歩く
立体駐車場の音響的結構は
ホタルの眠る長い夜を消毒してゆく

十一人は鳥のマスクをして食卓の主人を囲み
2メートル間隔で横坐りしていた
上座は奥の左だったがオットセイ達は気にしてないふりをしていた
みんなシャワーを浴びてるから体はきれいだけど
足はこんな風に洗い合いっこするのよ
先生、オットセイなのでシャワー浴びないし足無いんですけど
と言う俺を見上げて先生は
アガペーなのかアッカンベーなのか
困ったような顔をされて
あと一日で死ぬオットセイ
と仰った
まさかわたしじゃありませんよね
はいお口あーんして
介護士の感染はこのショッピング・モールもガラガラにさせた
俺に這入ったくすりには虹色の未来が入っていた
それで俺は部屋を出て
モールの管理人に知らせに来たのだ
ブラックバードが
啼いてますよと

 

 

 
#poetry #rock musician

possess・所有する

 

Michio Sato

 
 

evening

I took a walk with my dog Moco

On the bank of the river
Lantana flowers were in bloom

Like a nebula
It was in bloom

Can’t possess

No one can possess a nebula

Nebula is slightly bright yellow and pink

 

It was in bloom

 

 

*タイトルは、twitterの「楽しい英単語」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

ADHD夫

 

工藤冬里

 
 

鳥蹄魚の目は泪というような人ではなかったが
真っ向から対立しない限り
脱ぎ捨てる
迷いがない
呟く
ADHDによる経済的な損失はこの三月から五月までの自粛の間だと 二十万くらいだと思う
夫の律法に従うと
柿の葉の濃い緑のひかりが室内に入って
明るく黒い 
ゴミ屋敷の手綱を引く
根掘り葉掘り

葉掘り

明らかに語調を合わせるための付け足しであるが
夫は明らかに葉を掘り続けている
情報を漏らす
コロナ出たのは三津の方らしいよ
目先の岬
鬱勃とラスボス
内密あんみつ姫
漏らすならお襁褓をさせなければならない
すいみん薬を飲ませて
日暮れには寝かしつけた
すると数時間後にお襁褓を履いた千体のアトムが出て行った

 

 

 
#poetry #rock musician

thoroughly・徹底的に

 

Michio Sato

 
 

today
With dog moco

Not taking a walk

In the morning
In the afternoon

Not taking a walk

Almost
Already

It’s night

Never lived thoroughly

Already
It’s night

Will I die thoroughly?

 

 

*タイトルは、twitterの「楽しい英単語」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

黒犬

 

工藤冬里

 
 

1. 死
自分の周りに竹林の仕切りが出来ていきなり音声が曇った
その倫理上の差を時間に置き換えて
風があっちからこっちへ吹いてくるちょっとの間だよ、

黒犬の歌い出しの前の
安藤昇が喋った
時間はチョコレートの板で立てられた河川敷の塀となっている
ほんとうに菓子の硬さであいうえを見上げた
がしがしと言葉は
階段を作ることができるほどに
切り出された

2. 復活
囚獄には鼠がいる
夢を囓り映像を分ける
子供を起こすように
呼ぶと
細胞のレユニオンが鬱勃と興る
居た堪れない死に方をした眠りから
お客さん終点ですよ
自分の作った器にもう一度会いたいと願
われないなら
仕返しを





無駄になってしまう
ティルス銀貨一枚は給料四日分だから百万くらい
街金マチウ書シロンが居たのに会計係だったということは
妹が居たということだ

3. 生
全世代が届かぬ高みから落とした刈り上げがキモい
その金で妹は
轡を噛ませた言葉の走りに賭ける
決着は何番目でも漲る体力が面白い
あのアニメなんだっけ
同時に多々ある理不尽
字が書けないからわかんないや
ひどい扱いを
受け
ない
よう
には
されなかった
相当な抑圧
を不安ごと
乗り越え
生計を立てる
大人の皆さん
とはあまり言わない
親の皆さんとは言う
全世代が抑圧を乗り越えることができる
戦中派の帰路は
あまりに単純だ
一緒にいる
というだけで
では一緒にい
ない
なら
どうなるのか小僧デイヴィッド

会計係の妹よ
生涯にわたって
年齢にかかわらず
生きている限り
日が
四分三十三秒の大人しい音無しの音沙汰を
風があっちからこっちへ吹いてくるちょっとの間だよ、

 

 

 
#poetry #rock musician