michio sato について

つり人です。 休みの日にはひとりで海にボートで浮かんでいます。 魚はたまに釣れますが、 糸を垂らしているのはもっとわけのわからないものを探しているのです。 ほぼ毎日、さとう三千魚の詩と毎月15日にゲストの作品を掲載します。

toil・あくせく働く

 

Michio Sato

 
 

At midnight
The woman

was crying on the sofa

She was

crying that her mother had died and she was lonely

Forever
She was crying

I took her and Moco to bed

She lay on the bed
And cried

I was beside her for a while

We work hard
And we have run out

 

 

深夜に
女は

ソファーで泣いてた

母が死んでしまって寂しいと
泣いてた

いつまでも
泣いてた

わたしは女とモコをベットまで連れて行った

女はベッドに横になった
そして泣いた

しばらく女のそばにいた

わたしたちはあくせく働く
そして使い果たす

 

 

*タイトルは、twitterの「楽しい英単語」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

オリンピック(いくたびも雪の深さを尋ねけり 子規)

 

工藤冬里

 
 

走ることが競争ではなく走り「きる」ことだと知っていたら強迫神経症にならずに済んでいたでしょう
「美味しゅうございました」で通じるほどに膾炙しているのは是認を得ようとする欲望への本能的な疑義が立ち昇るからでしょう
狭い道を躓かないように犇めき合ってアニメのように走った
愛に裏道はなく抜け道に義はなかった
表参道にも竹下通りにも愛はなかった
蚊はいた
水平に張り出された「く」の字を地軸の傾きで受ける美しい肘タッチの練習動画
雇われたアイコンの素材の傾向を分析してみせた展示
美味しゅうございました
走り過ぎた子規は病床からいくたびもソーシャルディスタンス街宣の深さを尋ねた
雇われた者たちのアイコンはアニメの平たさとして広がり
肘タッチの太陽高度は深さとして林立した
いくたびも尋ねた雪の深さ 哉

 

 

 

#poetry #rock musician

chuckle・くすくす笑う

 

Michio Sato

 
 

When I was a child

had a cat

She was a calico cat

Her nose
was black

I called her Chaco

Chaco
Chaco

Chaco was vague
She was quiet

She gave birth to many children

Around winter

From home
Gone

Next spring
The body of Chaco was found in the barn of the neighbor’s house

Chaco
Chaco

chuckled

 

 

子どものころ

わたし
猫を飼ってた

三毛猫だった

彼女の鼻のあたま
黒かった

チャコと呼んでた

チャコ
チャコ

チャコはぼんやりしていた
静かだった

子どもをたくさん産んだ

冬になる頃

家から
いなくなり

翌春に
隣家の納屋でチャコの死体が見つかった

チャコ
チャコ

クスクスと笑ったね

 

 

*タイトルは、twitterの「楽しい英単語」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

危険外来

 

工藤冬里

 
 

空が破けて史上最高量の情報が一気にダウンロードされたが
それに耐えることができなかった田螺がショッキングピンクになって畦に張り付いている
春の黄を芒の秋に、秋桜の橙を春に持って来て
国々の秋は存亡を偽りながら選挙を続けていく
靴の泥までチェックしても
秋津島にはショッキングピンクの頭蓋に白いマスクをした群生が蔓延る
軍政が雌蕊に施術する大陸から他感作用の強い愛の生物が入ってきて
肘タッチの礼法を小笠原流がブラッシュアップする

 

 

 

#poetry #rock musician

yell・怒鳴る 叫ぶ わめく

 

Michio Sato

 
 

today
It was raining

Wind too

It was blowing strongly

Already
Late at night

Wind and rain is hitting the shutter

Screaming

Yelling

Now
I have nothing

The thing is

Nothing and
The same thing

drop the raindrops there

 

 

今日は
雨だった

風も

強く吹いていた

もう
深夜だが

風雨が雨戸を叩いている

叫んでいる

叫んでいる

いま
わたしには空無がある

そのことは

なにも無いことと
おなじことか

雨のしずくをそこに落としてみる

 

 

*タイトルは、twitterの「楽しい英単語」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

夜の歌に似た歌

 

工藤冬里

 
 

殺されるとは初耳です
話さなかったのは一緒にいたからです
今日、過去を明け渡したので
開戦前夜のドブの上澄みみたいに清々しい。
フルートを持って上って行く祭りの夜の歌に似た歌
あれは駆除される浣熊
雨なので車から出られません
決戦投票前にすでに世を征服しました
J-popがおれの屋根に当たる
ヘルパーは来ません

 

 

 

#poetry #rock musician

method・方法

 

Michio Sato

 
 

It was last week
It was friday

Morning

with dog moco
I took out the trash

go home
tried to wash the garbage bucket

There was slugs
There was at the bottom of a blue poly bucket

There were two

In the morning light
Golden

Shiny

Both of them
It was shining golden

There were two slugs
They were moving slowly

It was shining

 

 

先週だった
金曜日だった

犬のモコと
ゴミ出しにいった

家に帰って
ゴミのポリバケツを洗おうとした

ナメクジがいた
青いポリバケツの底にいた

二匹いた

朝の光があたって
金色に

光った

二匹とも
金色に光っていた

ナメクジがいた
ゆっくりと動いていた

光ってた

 

 

*タイトルは、twitterの「楽しい英単語」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life