He made no end of excuses.
彼は際限もなく言い訳をした。 *

 

さとう三千魚

 
 

before noon
for the first time in a long time

Sunny

I saw the nostalgic blue sky

I thought
also

Rain
started to get down

Is it heavy rain?

suddenly
start strongly

leave fast

He made no end of excuses *

 

 

昼前
ひさしぶりに

晴れた

なつかしい青空を見た

と思ったら
また

雨は
降りだした

驟雨というのか

突然に
強く降りだして

早足で去ってゆく

彼は際限もなく言い訳をした *

 

 

*twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.

 

 

 

8月4日広島相生橋「すっからかん節」のための経哲草稿

 

工藤冬里

 
 


すっからかん
すっからかん
ジャックラカンも すっからかん
五百羅漢も すっからかん
三月四月 すっからかん
五月六月 すっからかん
七月八月 すっからかん
数年後でも すっからかん
吸うからいけん すっからかん
吸わなきゃいいのか すっからかん
ソーシャル・ディスタン スッカラカン
(振付:肘タッチ)

橋の欄干 手を腰に
はるか向こうを 眺むれば
十七八の 姉さんが
アニス羅漢果はバンド名
姉さん姉さん どこ行くの
スリランカカレー 食らわんか
私は九州 鹿児島の
西郷すっからかんの 娘です
薩摩焼なら 沈壽官
鞍馬天狗の アラカンが
かんらかんらと 観覧車

ワイン安けりゃ あっけらかん
楽観的な 約款も
TPPで すっからかん
あきらかなのは すっからかん
シーラカンスも すっからかん
乱獲されて すっからかん

アキラも明菜も すっからかん
ランタンパレードも すっからかん
キップ・ハンラハンも すっからかん
バート・ランカスターも すっからかん
ピンカラトリオも すっからかん
からゆきさんも すっからかん
スカラーシップ返せず すっからかん
夜間高校 すっからかん

ずらかんないと すっからかん
使えぬ薬缶と 水道管
餡から食べて 実を枯らす

すっからかん
すっからかん
ソーシャル・ディスタン スッカラカン
etc

 

 

 

#poetry #rock musician

幻想の家族

 

ヒヨコブタ

 
 

暖かな家族だったと信じて
生きてきた

いまではその幻想も冷えきってしまった
ほんとうのことを思い出すというのも
それを認めるというのも
とてもおそろしいことだった

置き換えてすり替えてそのひとらを擁護したくても
もうできない

もうしなくていいんだ

子どものじぶんには罪がなかったと言ってほしいと何度も願った
父の前では笑顔になる母に
なにか些細な代表に他のきょうだいではなくわたしが選ばれたことに憤慨する母に
お前が選ばれて嬉しいと
そういってほしかった
ただそれだけだった

一般的ではないということは
共感を得づらいということなのか
家族の話は
幻想としてしか他者には話しづらいのは

老いと病を得たとき
近づいてくるそのひとの
こころにある凶器は変わらないことを
もう認めようか
振りかざされてからでは
遅すぎるのだ

もう戻らない
何度もよみがえると
こころが壊れてしまうから
母の存在を意識のなかでは消してしまわなければと思う
誰の迷惑にもならぬよう

誰かより目立たず誰かより褒められないことが
生き残る術だったなんて誰が信じようか

小さな家の箱のなか
もう二度と足を踏み入れたくない箱のなか
あの箱のなかなにがあったのかを
あのひとがどれほど飾りたてようとも
閉じる

 

 

 

flock・(羊・鳥などの)群れ

 

Michio Sato

 
 

I may meet the flock

on the beach

in the high sky
to fly

view

in the blue sky

white feathers
plunge

They pierce the sea surface

bite the fish
fly away

on a sunny beach
sometimes I meet the flock of terns

 

 

その群に

出会うことが
ある

浜辺で

高い空に
飛ぶのを

みる

青空に

白い羽がしなって
急降下し

海面に突き刺さる

魚を咥え
飛び去る

晴れた浜辺で
アジサシの群れに出会うことがある

 

 

*タイトルは、twitterの「楽しい英単語」さんから引用させていただきました.

 

 

 

sunday morning

 

工藤冬里

 
 

セミの波状の侵入が
卓上のディスプレイに混ざる
邪魔するのに飽いて人語を話す猫は
人生の削りかすを睡眠剤に変える
あゝ皿ヶ嶺の進化論の障害
燐寸箱のデザインの家が建ち並び
龍は天麩羅にされている
地球が人間にフィットしたのであって
人間が地球にフィットしたからではないので
十日の旅をする水に
胸の筋肉で話しかけなければならない
柿の木の刺蛾と蟷螂の戦いをじっくり考えた洗濯物は軒下で首を吊る
刺蛾の食う実のない言の葉の
雨のような音
と雨

 

 

 

#poetry #rock musician

寒いバス

 

辻 和人

 
 

寒い
寒い
バス
窓の隙間から
びゅっ、だ
もう5月も半ばだってのにな
寒いけど閉めれません
コロナ感染っちゃうから閉めれません
今日出社日だったけどオフィスがらん
定時にあがっていつも満員の電車がらん
武蔵小金井から小平団地中央に向かうバスに乗り込んで
ぼくの他は?
ひとーり、ふたーり、さんにーん
がらん
最前列の席は「コロナウィルス感染予防のためご遠慮下さい」
びゅっ、だ
寒い
でも隙間は必要です
ご協力お願い致します
発車しました
ぼくの前にサマーカーディガン着たひとーり
ぼくの後にぼくと同じ背広姿のふたーり、さんにーん
みんなマスクして俯いてる
前の人は髪長めだから女の人かな
顔わかんなーい
よんにーんで出発
ゆらーり、ゆらーり、ゆらーり、ゆらーり
頭小さく左右に振る
ぼくも小さく頭振る
おんなーじタイミングで振る振る
「学芸大正門、学芸大正門」
誰も乗らない
びゅっ、だ
「貫井北町五丁目、貫井北町五丁目」
誰も乗らない
びゅっ、だ
ううっ、寒い
閉めれません
コロナ寄ってくるから閉めれません
おっとブザーが鳴りました
「喜平橋、喜平橋」
女の人らしきサマーカーディガンの人が降りるようです
ふらーり
IC定期券ピッ
顔わからんないまま降りてった
残るは3人
ふらーり、ふらーり、ふらーり
おっとまたブザーが鳴りました
「警察学校、警察学校」
わぉ、2人降りちゃうんだ
ふらーり、ふらーり
顔わかんないまま
ピッ、ピッ、ピッ
発車
びゅっ、だ
窓ガラスの隙間をふと覗くと
街路樹が
降りてった3人の代わりに
ふらーり、ふらーり、ふらーり
隙間空いた窓ガラスにマスクつけたぼくが映ってて
顔わかんない
街路樹と一緒に小さく頭振ってるうち
「終点、小平団地中央、小平団地中央」
着いたな
ふらーり
運転手さん、マスクしてて顔わかんない
ピッ、降りようとしたら
隙間みるみる大きくなって
びゅっーっ
うっ、こりゃ
最後まで
寒い
寒いバス

 

 

 

fatigue・疲労

 

Michio Sato

 
 

In the afternoon

I went to Seaside Park
with Moco

I walked a little along the beach

The crape myrtle pink flowers were blooming together

Thunder
Because it started to rain heavily

with Moco
in the car

I was listening to Tori Kudo’s “unify my heart”

In the sea
There were children playing in the rain

Children don’t feel tired

with Moco
I was listening to “unify my heart”

 

 

午後に

モコと
海浜公園に行った

モコと海辺をすこし歩いた

サルスベリのピンクの花たちがかたまって

咲いてた

雷が鳴り
大粒の雨が降りだしたので

モコと
車の中で

工藤冬里の”unify my heart”を聴いていた

海には
雨のなかで水遊びする子どもたちがいた

子どもたちは疲れを知らない

モコと
“unify my heart”を聴いていた

 

 

*タイトルは、twitterの「楽しい英単語」さんから引用させていただきました.

 

 

 

マルコス

 

工藤冬里

 
 

香港生まれぽい名前を付けられて
職業はカウンシルの奴隷
巴旦杏ムーンの夜中に
ワイン三杯
パンとマトンで
爆報観て寝るだけのところを
駆り出され
オリーブ園で耳を切られる
ダウヴァの白亜の断崖が脳裏を過ぎり
勇気は下位の層に対して示されると知る
なんでマングースがコブラと闘わなきゃならないんだ
それでもマルコスはいまは犬が吠えないことを知る
人は区別されるということを知る
血に慣れろマルコス
緊張も人生の一部だ
立て、立つんだ
耳を切られたマルコスの
明日はどっちだ

 

 

 

#poetry #rock musician

advertisement・広告

 

Michio Sato

 
 

In the beach wind library

poetry
writing

every day
open to the public

The block wall photo of Tsutomu Hirose and
The poetry of Tori Kudo

every day
open to the public

We publish works of poets, photographers, painters, musicians, performers, gallery owners, ordinary people, biased people, useless people, occasionally good people, beautiful people, kind people, etc.

take a rest on sunday
I’m not a Christian

 

 

浜風文庫で

詩を
書いています

毎日
公開しています

広瀬勉のブロック塀写真と
工藤冬里の詩も

毎日
公開しています

詩人 写真家 画家 ミュージシャン パフォーマー 画廊主 普通なヒト 偏ったヒト ダメなヒト たまに良いヒト 美しい人 優しいヒトなどの作品を毎日 公開しています

日曜日はお休みよ
基督者ではありません

 

 

*タイトルは、twitterの「楽しい英単語」さんから引用させていただきました.

 

 

 

subluxation

 

工藤冬里

 
 

TLネットワーク見てるとなんかサブカルのラスク齧ってる感に吐き気がしていたのがここにきて急に人が粒立って艶やかに
ネカフェのトイレで流れる音楽さえ
ターゲットなのだろう、オルタナ主体の有線がgreat song after great song
いまは削ぎ落とされて良くなってるんじゃないかとさえ思う
ヨーヨーマが明日モリコーネ追悼のオンライン・コンサートを行うと言ってる
モリコーネはヨーヨーマに、音楽とは空間、時間、エナジーの三つだ、と語ったらしい
モリコーネがそれを語った瞬間は、空間と時間とエナジーで充ちていたことだろう
しかしいまはその三つを運べない運送屋を見詰めなければならない
それを浮き彫りにするのが釣り堀屋の仕事であろう
後期ルネサンス以来のチェンバーが終わったのだから
風通しの良すぎる洞門が建築様式とならなければならない
そのための寒暖対応ではペスト医者の鳥頭の脱着の操作性がファッションの決め手となり
マツエク以外のコスメは絶え、頭部は鬼太郎の父親に変異するだろう
だから音楽を変えずに演奏空間をデザインするのではなく
ディスタンスを前提して音楽の方を変えるのが王道(バ)ロックだ
それは順番でいけばバロック前夜のマニエリスム或いは倍音としてのキュビズム前夜に対応するものになるだろう
顔の美がヴァーチャルに加速するとき忌避される筈の血が逆にさらに流れるだろう
左右から刺してくるシニフィアンの複製が無く
垂直なトレ・ユネールとしての
あまつかぜ
場の外では犬が泣き叫んだり歯軋りしたりしているだろう
音楽は言葉のsubluxationだ
ドグマ爺さんたち
土グマたち
浣グマに食べさせる野良の白
クマの子を散らすように
アースが産んだドグマ大使
愛は六千年限定のサブスクだ

 

 

 

#poetry #rock musician