たいい りょう
こころのなかは
いつも 雨
雨は 乾いた こころを
潤してくれる
赤いトカゲが
濡れた土から
ひょっこり 顔を出した
人の足が 通ると
顔を引っ込めた
小さな自然は
わたしに 密やかに
話しかけてくれる
わたしは ざらついた手で
季節はずれの紅葉を
そっと撫でる
すると 萎れかけた紅葉が
ひらひらと
ぬかるんだ 水たまりに
浮かんだ
水鏡のように
美人を映し出す
夏のなかの秋景色
そんな 夏の優しさに
わたしは あらためて
恋をした
こころのなかは
いつも 雨
雨は 乾いた こころを
潤してくれる
赤いトカゲが
濡れた土から
ひょっこり 顔を出した
人の足が 通ると
顔を引っ込めた
小さな自然は
わたしに 密やかに
話しかけてくれる
わたしは ざらついた手で
季節はずれの紅葉を
そっと撫でる
すると 萎れかけた紅葉が
ひらひらと
ぬかるんだ 水たまりに
浮かんだ
水鏡のように
美人を映し出す
夏のなかの秋景色
そんな 夏の優しさに
わたしは あらためて
恋をした
神田鎌倉河岸にある、とても小さなビルで働く仲間たちと一緒に、
第2次関東大震災直後の、帝都駅の近くまで歩いて来た。
蜘蛛巣城のように高く聳え立つプレミア超幹線のプラットホームを見上げると、最後尾の13号車に、善良な市民や俸給労働者の貌をした、町内会、自警団、愛国婦人会員らが群がっている。
またしても大勢の伊藤野枝や大杉栄、孫文や周恩来やBTSを、鎌や竹槍や出刃包丁で殺戮し、その返り血を浴びて全身血塗れのまま、吊革にぶら下がって「君が代オマンタ音頭」を高唱している。
今日は、そんな帝国の臣民を慰労するべく、シン帝国政府が特設した、「全国プレミア新幹線13号車無料の日」なのだ。
いままで一緒に歩いてきた、人事のウチダやナカザワ課長、総務のごますりワタナベや広報のカトウ嬢たちは、「今からでも急げば、あの最後尾の13号車に滑り込めるはずだあ!」と、口々に叫びながら、蜘蛛巣城のように高く聳え立つプラットホームを目指して、「イチニノサン! ゴオ!」で駆けていったが、私らはそうしなかった。
熱血ラッシュアワーであんなに混んでいる列車に、彼女を乗せるわけにはいかない。
「ぼくたちは、次のが来るまで、しばらく待っているよ」と彼らに言って、
線路と並行している狭い野道をずんずん歩き始めると、彼女も後を追ってきた。
ラララ、2人だけの野道だ。
ラララン、2人だけの夜道だ。
知り合ってまだ日も浅いのに、いつの間にか2人は手をつないで
ゆっくり、ゆっくり、一本道を歩いて行った。
初めて手をつないだが、手をつなぐことがなぜか恥ずかしく、
そのうえ、手に汗が滲んできたのが気になって、
ぼくは彼女の掌の真ん中を、中指で一回だけ、チョンと突っつくと、
彼女も一回だけ、チョンと突っつき返してきた。
「しめた!」と思って、
今度は掌ぜんたいを、2回連続で、グッ、グッ、と握りしめると、
彼女も2回連続で、グッ、グッ、と握り返してきた。
「やったあ!」と思って、
今度は間を開けて、3回連続で、ギュッ、ギュッ、ギュッ、と握りしめると、
彼女も3回連続で、ギュッ、ギュッ、ギュッ、と握り返してきた。
「超ウレピイな!」と思って、
今度は回数を間違えないように、「イチ、ニー、サン、シー」と頭の中でカウントしながら、10回連続で、ギュッ、ギュッ、ギュッ、ギュッ、ギュッ、ギュッ、ギュッ、ギュッ、ギュッ、ギュッ、と握りしめると、彼女も10回連続で、ギュッ、ギュッ、ギュッ、ギュッ、ギュッ、ギュッ、ギュッ、ギュッ、ギュッ、ギュッ、と握り返してきた。
それからぼくは、「生まれてこの方、これ以上幸福な瞬間は知らなかったなあ」と思いながら、もうすっかりうれしくなって、彼女の手を握り締めながら、
暗い線路沿いの一本道を、どこまでも、どこまでも、歩いて行ったのでした。
ゆれる空をみる
みどりと黄の葉が横切り
あめんぼの動きにあわせて
円が描かれる
包み込む空とゆれる空は
小さな祝福の連続を見守って
雲のそばでいちょうの葉が泳ぎ
光があたる
耳にとどく 葉の触れ合い
子どもの泣き声 笑う声
色雫を奏で 唯一になる
かたちになった過去は
余韻を残して静かに通り過ぎる
空がゆれて
円をえがいて
共鳴の鼓動に
透明が調和するように
からっぽの宇宙が
ほのかにゆれる
まぶたを閉じると
美しい虹が広がっていた
たぶんあの光は生命だろう
きてはいなくなる光
淡い球体
やわらかい卵たちの空間で
ふわふわと
地球は重いこととも隣り合わせで
ギザギザと向き合う季節もある
そんなことを伝えると
楽しそうにきらきらと
入り組んだ次元の隙を潜り抜け
仲間と一緒に色をつけるの、と言った
ギザギザも色がつけばかわいいと
軽やかなお裾分け
またねの合図は
透明の密度にカラフルが宿る
赤の表情を瞳に
自分の手をみた
何十年かけて犯し続けた犯罪なのか
世の中を騒がす性犯罪者のおぞましさに
じぶんのなかで闇に葬ったことがよみがえりそうになる
落ちついて、深呼吸する
可愛い子ではないと変質者にはあわないなどと
大人が言うじだいにわたしは居て
可愛い子ではない私にはそんなこと起こるはずがないと笑う母をじっと見るしかなかった
違うのだよ、変質者は顔で対象を選ぶばかりではない
大人しそうにひとりでいる子が好きな場合も多いんだ
それに当てはまってしまうわたしに
何が起きたかなどもういい
わたしにとっての変質者を呪うのは終わったんだ
眼の前の被害によりそえたらいいんだ
嘘だと決めてかからず
笑い飛ばさずに聞いてこころを傾けたいと思う
いつでもそう生きていられたらと思う
悪夢は短い方がいい
信じるよ、私はというスタンスを
わたしはこれからもまもり続けたいのだ
ケムリ模様の雨模様
雨ばっか降りやがって
どんどん雨激しくなりやがって
哭く喚く天の声なのかよ
ひゃっひゃっひゃっ
ああキノウの蝶々だなこれ
地に目を遣る
激しい雨に打たれ打ちひしがれて
飛ぶ事諦めさせられ
死んで行った美しい揚羽蝶
その美し過ぎる屍はヌルリ輝く
まるで嬉々として残酷シャワーに晒され
爆音警報鳴り止まぬ中
びしゃびしゃ飛翔しようという
抵抗の姿を見る
それは神々しく狂おしくも無残解体へと変容し
黒いアスファルトに貼り付けられる結局
その燻んだ翅模様、死んだ一昆虫の微々たる光
ぺたりと存在しています、ばらばらばら
ひとごとでも無かろうに、ククク笑いが込み上げる
死への面影だけは身綺麗にしておきたいものだ
犬猫病院から帰った
郵便局で
手紙を出して
海によってきた
秋の空
みてた
帰りにカナダビール屋で
缶ビールを
買ってきた
詩をひとつ作り
カレーも作るはずだったが
飲んでしまった
夏が終わり
犬のモコ
すこし元気になってくれた
うれしい
ビール
美味しい
夏は終わったのかな
ことし
庭に
羽黒蜻蛉はこなかったな
いつも
梅雨の終わりから
夏に
番いで
蝶のように
浮かんでいた
浮かんでいたな
#poetry #no poetry,no life
明るすぎる
時は来なかった
一日の千年の
速い日暮れだった
半分しか息をしていなかったから
騒音が明るすぎたのだ
地下茎はいつのまにか途絶え
朱は山陵を染めなかった
透ける肉を翳して
G20に出席する政府の
岐れ路を見る
政府か政府ではないか、ではなく
その政府か別の政府か、なのだ
内向きの肩を開いて魚の背骨を矯正するつもりだろうか
腰のない湯呑を削り
嫋嫋と立たせ
傾けて雨水を流すなら
礫の多い虐めの記憶が
岐路としての器の冬なのだ
マスクをした国が孔に落ちる
息が出来ずに
盆地の集積としての球の一部分でしかないアースに
明るすぎない視線を引く
無理強いしないが
岐路が岐路として叫ぶ立体を聴かせる
#poetry #rock musician
朝の
ミルクを飲み終えて
こかずとんが
仰向けの姿勢で
こちらに顔を向けながら
足を
上げていた
右足左足一緒に
いち、に、さん、し、
5秒数えるか数えられないか
湯気が立って消える
みたいに下した
こんなに高く上げたのは初めてだ
足は
ぴんとしていた
30度くらい?
マットの上でもぞもぞ
動かしてるのとは違う
足に力を込めていた
こちらを向いた顔は笑っていて
力を働かせたことを
知っていたよ
誇っていたよ
ミルクを
飲み終えた
朝の
湯気が立って消える
じゃあぼくもいっちょやってみるか
ごろっとこかずとんの横に寝っ転がる
いち、に、
足上げるのって結構きついもんだな
おや、湯気立ってる
横で寝てたこかずとん
いつのまにかこちらに顔を向けて
さん、し、
足を
上げていた
ぼくはただ足をいっちょ上げてるだけだけど
こかずとんには上げた先に待ってるものがある
足はぴんとしていて
笑ってた
2023
©Cloudberry corporation
僕は、SergioというHandle nameで呼ばれる日本人。Disco On The Night Floor 「国民の税金を使ってでも、これから、をとこの摩羅が、欲しい!」とGospel Hourという罌粟(ケシ)のrestaurantで…。俺たち、中高年、
決意を述べたら、僕の出稼ぎ仲間、Agnettaは、言った。「Sergio、生まれてきたからには、皆、好き勝手にやっても良いのよ。私たちは北部と南部の間に生まれた一人前のあいの子だよ。当たり前の権利だわ。Tokyo。ここからも乗り放題で生きてみようよ。」赤いBabyloneの河が溢れている。She(Ok、Sergioと彼女は言うけど…)
哀しんでいる間に目方が100キロ超えてしまった……。これは怠惰の証ですか…??
妊娠させて、と、せがんだから?
僕の大きなお腹の下には“渇き気味の仮性包茎”が揺れている筈で触れられたい…。一分でも良い。暗闇から、モノ好きな逞しい手は伸びてこないだろうか…。
She(Ok、Sergioと彼女は言うけど…)僕だって、She、さ……!
60歳に成ったとき、僕はこれまでにできたこと、できなかったことを整理した。できたこと、詩作かな。
できなかったこと、コンドーム無しでの、肛門性交!エイズで死にたくなかったから、常に怖気づいた……。でも、死んでも良かった。
She(Ok、Sergioと彼女は言うけど…)僕だって、She、さ……!
C, C, C, C, C, C, C, C, C, C, C, C,
僕は、生涯、抱き心地よく、在りたかった……
飯田橋辺りで生まれたという50歳、鬼のような巨漢にヤラれたくて僕は毎晩のように河をわたる…。
やっぱりをとこにヤラれるなら彼の背中にある大きな芙蓉の彫物が綺麗でね打ち上げ花火に灼かれるみたいにね、そうそう超をんな好きlesbianの盟友Agnettaは、僕の買い物に、いちいちついてくる笑
僕の人生は結ばれ辛いをとこざんまいに乗り上げているけれど、じつを言うと僕はね、盟友Agnettaとは、ちょっといい仲になったこともあるよ。Disco On The Night Floor AgnettaはAgnettaで…
性別、を同じくする者たちとまぐわいつづけているけれど、あるとき僕たちは肉体的にも真摯に向かい合ってみたことがある…。
僕とAgnettaは、時には濃密な口吻も交わしたけれど、それは一種の友愛の中にあるもので、
「恋の、不在を、見せつけられた、ね。」…
僕たちは、お友だち婚をして子どもを育てても良かったとは思うが、そうはならなかった…。
「結婚式、おめでとう!って祝福されてみたかったわね…。」
「子ども、育ててみたかったよね。いろんな選択肢があったよねえ…!」
僕たちからの結婚招待状は、未だまぼろしの中にある…。She(Ok、Sergioと彼女は、いつも言うけど…)
僕は、SergioというHandle nameで呼ばれる日本人。Disco On The Night Floor 「国民の税金を使ってでも、これから、をとこの摩羅が、欲しい!」
そういう願い、誰にも打ち消せはしないだろう?”I’m going to buy Wotoko no Mara from now on with my welfare expenses!” No one can negate such a wish, right?
アァ、聞こえているだろうか旧知の同胞、Agnettaよ…。
僕は、今夜、ナマ中で肛門性交をします。これからは、ずっと、そう。
妊娠して、子どもを産むまで。死ぬまでにエイズで、死んでも良いです。
2023/09/02 アパートにて。