海 ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 114     kanako さんへ

さとう三千魚

 
 

コスモスと
聞いて

秋桜と書くこと
知らない

子がいた

おじさん
詩を書くの

笑う子がいた

その子に
いつか

ほんとの海を
見せてあげたい

海も詩も
生きているんだ

 
 

***memo.

2024年11月23日(土)、
静岡一箱古本市の日に、水曜文庫での”無一物野郎の詩、乃至 無詩!” 第31回で作った114個めの即詩です。

タイトル ” 海 ”
好きな花 ” 秋桜 ”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life;

Minsk agreements

 

工藤冬里

 
 

あと二日か・・
数えない日を数えて
そこまでを野放図に生きる
XLサイズを羽織る
光の鱗が玉蜀黍なので
復讐のフラッシュバックは捻り潰される
実感のない期間をどう過ごすか
Twitterだけが参考になるが
どちらの壁にも触れてはならない
不幸を願う敵の言葉が
衣服のように敵を覆いますように

 

 

 

#poetry #rock musician

頭痛 ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 113     miyuki さんへ

さとう三千魚

 
 

いたいです

好きなこと
毎日

続けても
いたいです

花が
好きです

背高泡立草の
お茶を

飲みます
ゆっくり眠ろう

朝まで
眠ろう

 
 

***memo.

2024年11月23日(土)、
静岡一箱古本市の日に、水曜文庫での”無一物野郎の詩、乃至 無詩!” 第31回で作った113個めの即詩です。

タイトル ” 頭痛 ”
好きな花 ” セイタカアワダチソウ ”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life;

あざやか ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 112     shiho さんへ

さとう三千魚

 
 

秋の
庭の

垣根の
咲いていた

ピンクの花弁のなかに

黄色の
花芯を

抱いていた

さざんかの
花の

咲いていた

朝に目覚めた
夢をみてた

 
 

***memo.

2024年11月23日(土)、
静岡一箱古本市の日に、水曜文庫での”無一物野郎の詩、乃至 無詩!” 第31回で作った112個めの即詩です。

タイトル ” あざやか ”
好きな花 ” サザンカ ”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life;

まいにち ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 111     moe さんへ

さとう三千魚

 
 

いちにちが
繋がっている

夜が終わり
朝には

咲いている

青い
青い

朝顔
咲いている

まいにち
まいにち

咲いている

 
 

***memo.

2024年11月23日(土)、
静岡一箱古本市の日に、水曜文庫での”無一物野郎の詩、乃至 無詩!” 第31回で作った111個めの即詩です。

タイトル ” まいにち ”
好きな花 ” 朝顔 ”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

小さな ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 110     megu さんへ

さとう三千魚

 
 

みちばたに
いる

わたしも
いる

かたすみの
ちいさな

ピンクの
ヒメツルソバ

咲いてる

まるく
咲いている

 
 

***memo.

2024年11月23日(土)、
静岡一箱古本市の日に、水曜文庫での”無一物野郎の詩、乃至 無詩!” 第31回で作った110個めの即詩です。

タイトル ” 小さな ”
好きな花 ” ヒメツルソバ ”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

これから ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 109     shiho さんへ

さとう三千魚

 
 

れんげの花

摘んで
あなたと

生きたい

れんげを
味噌汁にいれて

あなたと
暮らしたい

あなたに
れんげの花を

あげたい

 
 

***memo.

2024年11月23日(土)、
静岡一箱古本市の日に、水曜文庫での”無一物野郎の詩、乃至 無詩!” 第31回で作った109個めの即詩です。

タイトル ” これから ”
好きな花 ” れんげ ”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

健診と憂愁の時

 

辻 和人

 
 

赤ちゃん集まってる
これがコミヤミヤ&こかずとんのお仲間たちかぁ
今日は市の3・4ヵ月目健診の日
受付済ませて3階の会場へ向かうエレベーターには
抱っこ紐からぷっくり手足がゆらゆら
ひょなっと首がくぅねくね
エレベーターの扉が開いたらそんなのがいっぱい
その中にコミヤミヤもこかずとんもいるんだけどね
まずは保健師さんが歯の衛生について説明
これから歯が生えてきます
ぼくもミヤミヤも他のお母さんお父さんも熱心に聞き入ったけど
赤ちゃんたちは関係ない
隣の男の子、あっち向いてこっち向いてふぅらふら
隣の女の子、ひぇんってちょい泣き
コミヤミヤは一心不乱に指しゃぶり
こかずとんはぼくの膝を蹴っては蹴って
動くわ動くわ
でもまだ歩けない
歩けないけど動けるというエネルギー
説明終わってそのエネルギーが広いスペースにぞろぞろ移動
オムツだけになって、バスタオルでくるんで、さあ健診
台の上に仰向けに寝かせて膝を押さえて移動版するするっ
こかずとん コミヤミヤ
お次は体重
体重計に仰向けに寝かせて針がふるふるぴーんと静止してあっというま
こかずとん コミヤミヤ
標準よりちょっと少ないけど問題は特にないか
仰向け仰向け
いつも仰向け
赤ちゃんたち、みんなこの姿勢で頑張ってる
ほら、ウチの前の子は
始まる前は足をもぞもぞ動かしてママの服の裾握って
だけど台の上に乗るとぴたっと静かになって静かに計られた
「台」ってのはすごい魔力があるんだね
それとみんな台から降りる時ゆるっと背伸びするんだね
頭囲計ってもらって初老の女の先生が診察
指を左右に動かすと
コミヤミヤのまんまるい目が不思議そうに追っかけた
耳の近くでぱんと手を叩くと
コミヤミヤの柔らか頬っぺがぴくっと引きつった
視覚OK、聴覚OK
こかずとんもOK、OKだ
だけど先生と向かい合った時ちょっと泣いちゃったな
「特に問題ありません、順調に育っていますよ」のお言葉
ありがとうございました、安心して頭を下げて
バスタオル剥いで服着せて
最後にお世話になった保健師さんと面談
コミヤミヤとこかずとん覚えててくれて
「どの赤ちゃんもそうですが双子ちゃん大きくなったんでびっくりです」
問診表見ながら質問してくれて
OK、OK、帰りましょう

健康センター出ると8月のあっつい空気がムウッ
「あっついねー、でも特に問題なくて良かったよねー」
抱っこ紐姿のミヤミヤとかずとん
ハンカチで汗を吹き拭き駐車場へ急ぐ
抱っこ紐の中のコミヤミヤとこかずとんは朝寝グーグー
そして
育休終了まであとひと月半
この暑さが和らぐ頃には楽しかったかずとん村も閉鎖か
ぼくの分まで頑張ってくれてる同僚たちのためにも
仕事には早く復帰したいって思ってるんだけど
寂しいね
健診で問題なくって
かずとんがいつもいなければならないこともなくなって
遂にかずとん村も閉鎖
寂しいね
あっつい、あっつい、ムウッ、ムウッ
憂愁の時を歩く
抱っこ紐姿のかずとんパパだ

 

 

 

空の履歴書

 

廿楽順治

 
 

青い履歴書が
空にある

どこにも
うまれなかったと書いてある

雨だから欠勤

夜になってもやってこない
わたしはそういう労働者になりたい

「孤独ってわけね」

休むことなく
光をはこぶ
あのばかもの
(ときには茜色に)

今日もまた
死んだので空は広がっています