地軸

 

工藤冬里

 
 

動かない線に張り付いてTLはゆっくり動き
叙事はきみを落ち着かせる
傾(カブ)いたままの章動的な背骨の震えによって
蝉は地球のように空洞だ
言い足りない事があるとすれば
それはいつも公転面に置かれた「愛してる」の解像度の変化による

 

 

 

#poetry #rock musician

短歌歌短

 

工藤冬里

 
 

短歌歌短

不正不正不正不正正不正不正不正不
不正不正不正不正正不正不正不正不
不正不正不正不正正不正不正不正不
不正不正不正不正正不正不正不正不
不正不正不正不正正不正不正不正不
不正が続いたらどうなるるなうどらたい続が正不
不正が続いたらどうなるるなうどらたい続が正不
不正が続いたらどうなるるなうどらたい続が正不
不正が続いたらどうなるるなうどらたい続が正不
不正が続いたらどうなるるなうどらたい続が正不
不正が続いたらどうなるるなうどらたい続が正不
不正が続いたらどうなるるなうどらたい続が正不
不正不正不正不正正不正不正不正不
不正不正不正不正正不正不正不正不
不正不正不正不正正不正不正不正不
不正不正不正不正正不正不正不正不
不正不正不正不正正不正不正不正不
大変な事が起きるるき起が事な変大
大変な事が起きるるき起が事な変大
大変な事が起きるるき起が事な変大
大変な事が起きるるき起が事な変大
大変な事が起きるるき起が事な変大
大変な事が起きるるき起が事な変大
大変な事が起きるるき起が事な変大
大変な事が起きるるき起が事な変大
大変な事が起きるるき起が事な変大
大変な事が起きるるき起が事な変大
大変な事が起きるるき起が事な変大
大変な事が起きるるき起が事な変大
大変な事が起きるるき起が事な変大
大変な事が起きるるき起が事な変大

 

 

 

#poetry #rock musician

ベテスダ

 

工藤冬里

 
 

大林に比べ戦後間もない「東京物語」の遠い尾道は更に黒瓦で統一されており、「ありがとうね」の「が」に強調が置かれるイントネーションが却って鼻筋のバタ臭さと溶け合い、「六七で大往生」の寿命感も余人を周章てさせるだろうし、網戸の無い別の国から僕の母もルイーズ・ブルジョワの母もホドロフスキーの父も来たと知れるのは、喪服を持って或いは持たずに乗る弾丸列車のデスティネーションこそが映画史の父母であるからなのだった。さてガレルが映画史的に偉大なのは、ノスタルジーの問題を乗り越えようとした苦闘の質においてであり、彼がニコを通して大他者の視点を獲得し、自分の父と自分の子を別の人間として扱うことができるようになったからだった。それに対して「東京物語」は実の子ではない者が義理の母と結びつくルツとナオミの物語である。彼らは最初から別の人間であり、戦争という大他者が彼らを結び付けている。そこでは苦闘は正面からは描かれず、消えていく美徳への哀惜のみがある。映画人に好まれるのそのためである。それで、というわけではないが鎌倉で小津の墓から洋酒の小瓶を何本か盗んだことがある。その夜病気の友人が自分を殴って死んだ。僕は電話に出なかった。「そうかい」と笠智衆が言う。ところで僕が「地獄の季節」で好きなのは「ベテスダ」である。イエスは一本の円柱にもたれていた。それは映画のようだ。かれは不具者を見ている。かれは何もしない。異なった二つの治癒の出所についてだけが略述される。

 

 

 

#poetry #rock musician

仮名かな手本芸獣ケミカル

 

工藤冬里

 
 

貧困が問題ではなく
名前各部の熱にバラつきがあり
パーマ屋には行く
歳取ったって別にいい
いつも明後日の予定を考えなさい
自分が死んだ後に起きたことを学びなさい
芸術肉体労働者は体と心を使い
芸術職人は頭と心を使い
芸獣はクスリを使う
明後日
多くのスキルはなくなります
四十日面会できなかった間にすっかり弱って
心手術してないのにイタイイタイ聞くのが辛い
ユーラシア南東のビンロウジの吐き跡が
ペンシルベニアドイツ語圏メノナイトに

かなかなをうちに一瞬寄らせる名が関係している

 

 

 

#poetry #rock musician

Go To Idola

 

工藤冬里

 
 

本土というけれど島じゃない陸なんてない
ユーラシアだって島じゃん
みどり色の片岩の上に建っているすべての

一人称単数で言うべきことはそこじゃない
東風についてだろう
理解できない命令が与えられ
突然

七つだか八つだかの洞窟がある
手を合わせるからタイだ
カメラは引き
おばあちゃんの真似してるみたいなおばあちゃんだね

彼女は見えますが歩けません
彼は見えませんが歩けます
稜線から上の
弾けた
白眼色或いは
酸化の白磁の鈍光

北米やヨーロッパだけではない
人に根を下ろしその人の上に建てる
坑道を守ることの方が大事

それなしでどうしたらいいか
the old personality

愛する人は洞窟をよく知りません。洞窟はイドラだからです。私たちが愛するのは洞窟がまず私たちを愛さなかったからです

なぜ
無理矢理そうすることもできた
手練手管を張り巡らしてそうすることもできた
公正の感覚によってそうすることもできた
しかし

 

 

 

#poetry #rock musician

ピカドン🉂

 

工藤冬里

 
 

原爆ドーム横の黒いビルがその直角をこちらに向けて陰翳のティンクトゥ―ラを分けているその直線のみが感情を捉える

いかにも無宗教のモニュメントの空洞から、水、火、ドームの頭、の順に見通すその設計は「マリエンバード」の直線を思わせる

セレモニーからは外れた場所にあるモニュメントは三六〇度から見上げる視線に晒されているその陰翳を分ける直線が無い

白茶けた復興のなかで黒い線は行き詰まっているその八月六日のセミのノイズのなかで彫られていく白い線は光なのでデューラー以来の線から自由になれているかもしれない

再開発の手が入った駅前の一角のお好み焼き屋「のん」で箸を使わないでと勧められるそのサンドイッチ様態のままの食べ方できっぱりと構造を分ける

現実平面に象徴層を定着させる手続き言い換えれば見えないものへの変換のためのフィルターを持つことは重要であるそのフォーマットを見出した人は幸いであるその人は暫しの猶予期間を楽しむ

尾道「ultra」に被爆者の遺品を撮影した作品があるその作者の石内都の言葉:どこかで生きているかもしれません。帰ってくるかもしれないんです。そのときのために、きれいに撮っておきたい。

彼らが本当に帰ってくることを知らないままその象徴界を広げるその道は滅びに至る幅を持つ

 

 

 

#poetry #rock musician

ピカドン

 

工藤冬里

 
 

記念日前日の疎ら
花のない夏の淫ら
油絵具の上に塗られたアクリルの子供らしさは滑り落ち
直角をこちらに向けた黒い建造物が翳のティンクトゥーラを分ける

ドーム原爆
ドンピカ
と言ってみる
直線のないモニュメントの
あらゆる角度からは計算され切っていない陰翳のゆえに

 

 

 

#poetry #rock musician

MOYASHITA PORK。

 

工藤冬里

 
 

卵とキャラメル
ニワトリ
が出会って、
プリン
フリン
腐乱
が生まれた。
出会い
アイディア
イコン遺恨とイデア(ハーバート・リード)
って、


排除
排卵。
組み合わせ
ホーム列組み合わせ
って、未来
未練
かも。
公園
円光
縁故
の下に、ハイブランド
灰フレンド。
ハイブランド
灰フレンド
の横に、飲み屋横丁
蚤や!コチョコチョ。
ホテル
掘る手間
も珈琲屋
肥やし

レコードショップ
冷凍死体
もギャラリー
下痢コレラ
も、
混ざってくっついたら
どうなるんだろう。
ごちゃっと自由
蛆に、
ここは公園
御縁
豪炎
のASHITA
ATASHI。
その全部があたらしくなった
灰になった、
MIYASHITA PARK
MOYASHITA PORK。
さあ開業
蟯虫
回虫、
開園
快便
下位胃炎
です。
ニンゲン
非ニンゲン
田七ニンジン
ニゲンロンカフェ
も風
武漢変異風邪
も花
真田虫
も鳥
鳥インフル
も、
どうぞいらしてください。

 

 

 

#poetry #rock musician

Dense Foliage

 

工藤冬里

 
 

影のスキルアップ
のキャンペーン
で喜びに溢れ質問すれ
ば興味を抱かせること
ができる 誰の子ですか 
ご存知ですか 
ウィルスに晒され
ている交遊
が熱意に沸騰する 
頭で準備して心
にダウンロードする舌
を混ぜ合わせる
天体測量の器械
を儀と言い
牛のフライ
を犠と言う
それに対して
議は速弾き出来る総理の刑法上の罪
を減じる特典 
見えない担当者
を悲しませる
建物ジュース
で方向を定め直す 
潮溜りの淵 化学物質 
希望を奪い 目的がない
と覆い隠している
メモとタグで二足歩行トランス
のバスタブを深くする
とできるようになる
Dense Foliage
は周りに目を向ける助け
になります
白黒の夜空の天井 
百倍返しだ

 

 

 

#poetry #rock musician

皆殺しの天使

 

工藤冬里

 
 

羽根が生えて困るが
声は出ない
終わりが進むにつれ
部隊はやまだかつてない記号と意味の乖離を経験していた
戸口の血を踏まないようにアモンラーメンの暖簾を潜り
年老いた長男を殺る
恩寵はサブスク
押韻矢の如し
黒い板を更新し
物語に加わる
無理解もミッションである
犬の顔たち
朝はかなかなはなかなかなかない
〽︎ばかだねばかだねばかのくせに
ら抜きうどんで生き残れると思っていたなんて

 

 

 

#poetry #rock musician