広瀬 勉
#photograph #photographer #concrete block wall
手中的命運線鬆開,
樂師鬆開了琴弦,
彷彿要撈起那些暗黑的血姓名,
讓沉默開始沉默。
這一年死期將至,一如少年。
昨日的月亮,血眼睛,全食。
且石頭正緩慢成熟,
趨向着行星,成為光束
去承認黑暗,瀕臨垂熄的手相。
哦,鹽越來越重。低音。
這一年堅硬無色,鹽艱困成巖。
鐵淚渾圓,她淚懸一線!
她沿着鐵道,沿着坍塌的長城
讀我,讀杜甫!沿着忘川之水。
沿着籟籟之聲,脆弱的秋色。
擋住去路的水馬鐵馬,
哭號南無!誦讀詩篇。
掌心的命運線填滿陡峭的雨,
垂直。直擊秋日的深處。
從大海。
2022年11月9日、12日
血月次日 西貢
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手中的命運線鬆開,
掌の運命線が緩やかに開き、
樂師鬆開了琴弦,
奏者は琴の弦をゆるめて、
彷彿要撈起那些暗黑的血姓名,
まるであの黒々とした血の名前をすくい上げようとするかのように、
讓沉默開始沉默。
沈黙を沈黙に向かわせる。
這一年死期將至,一如少年。
この一年が臨終の時を迎えるのも間もないのだが、変わらぬ少年のようだ。
昨日的月亮,血眼睛,全食。
昨日の月は、血の眼の、皆既食。
且石頭正緩慢成熟,
まさに石は緩慢な成熟をとげつつあり、
趨向着行星,成為光束
惑星に向かって、光の束となるが
去承認黑暗,瀕臨垂熄的手相。
暗黒の行方を認める、薄れ消えかかった手相なのだ。
哦,鹽越來越重。低音。
おお、塩はいよいよ重く。低く音を響かせる。
這一年堅硬無色,鹽艱困成巖。
この一年のうちに堅く無色の塩は艱難のうちに岩となった。
鐵淚渾圓,她淚懸一線!
鉄の涙はまん丸な粒となり、彼女はいまにも溢れ落ちんばかりの涙をたたえている。
她沿着鐵道,沿着坍塌的長城
彼女は鉄道に沿い、崩れた長城に沿って、
讀我,讀杜甫!沿着忘川之水。
私を読み、杜甫を読むのだ!忘却の川の水にそって。
沿着籟籟之聲,脆弱的秋色。
かそけき風の音に寄りそう、はかなげな秋の色。
擋住去路的水馬鐵馬,
行く手を遮る放水とバリケードに、
哭號南無!誦讀詩篇。
南無と泣き叫び、詩編を朗誦する。
掌心的命運線填滿陡峭的雨,
掌の運命線は激しく降り注ぐ雨に充填され、
垂直。直擊秋日的深處。
垂直に。秋の日の深みを直撃して。
從大海。
海にいたる。
2022年11月9日、12日
血月次日 西貢
ブラッドムーンの翌日、サイクンにて
日本語訳:ぐるーぷ・とりつ
くねくねくね
くねる手
ウィーンウィーンウィーン、ウッワァーン
22時過ぎ
泣き叫ぶコミヤミヤ
どうしよう
コミヤミヤは元々観音菩薩様のように優しい顔つき
目も口も鼻も
顔の真ん中にちょこんと小さくまとまってる
なのに突如
菩薩様の顔がウィーンと歪む
口が四角く割れる
眉毛が逆八ノ字に折れ曲がる
ふわふわの頬に
ごっついヒビが入るぴくぴく震える
般若だ、般若の顔だ
その顔の周りでは手が
くねくねくねくね
右手が左にくねる
左手が右にくねる
これは何かのまじないか
ウッワァーン
さっきオムツ替えたばっかりなのに
さっきミルク飲ませたばっかりなのに
あ、右手が飛んでくる
メガネ弾き飛ばされた!
どこだ、どこだ、ここだ
わぁー、レンズはずれちゃったあ
生まれてひと月たたないのに
くねる力はこんなに強い
意識をなくしたいのに
意識がある
空間に溶け込んでいたいのに
体が邪魔をする
その怒りが般若を呼び出す
ああ、コミヤミヤよ
この世に生を受けるってそういうことなのに
個としての意識があって体があるってことなのに
まだ納得してくれないんだね
くねくねくね
くねる手
かわしながら
抱っこして背中ポンポン
ポンポン、それ、ポンポンポン
少しは怒りを鎮められるか
…………
ん? くねる速度遅くなってきた
0時5分
眉毛まっすぐ
しわしわ消え失せ
般若の面、溶けていくぞ
目も口も鼻も
顔の真ん中にちょこんと小さくまとまって
やったぁ、菩薩様の顔が戻ってきたぁ
手は上に投げ出してバンザイポーズ
もうくねらない
すーやすや
でもコミヤミヤ、納得してくれたのかな?
くれてないだろうな
ぼくだって何十年も生きてるけど
いまだに納得してるかどうか定かじゃない
コミヤミヤ
かずとんパパと一緒にこの世って奴の勉強をしようか
色を選べる
目に映る色は選べない
このドームの端の寒さの中に
マスターは飛ばされ
色の心強さを蜜柑色のトラムにもとめる
どれも似ているマスターの物語made in chinaのボールペンで重ね書きする
地球はほぐれながら浮かんでいる
郵便配達員は熊の子を散らすように山に入った
名前の付いた神社たちに
ほつれた縄糸は張り巡らされ
二、三本足を失った親たちが逆さになって待っている
閃光除けのゴーグルをかけて
殺風なぬめりのある壁を背景にして
妄想が拉致される
犀のラインのマスクのまま
微妙な歳差に切り込め、
蒸発せよ、とバビロンに言う
南予のイントネーションで赤道辺りの蓋を開け
熱水による結晶を見せる
ホラホラこれがきみの中身だ
エリシャは王将に居たが
マスターに誘われると戻って肉を煮、餞別として人々に与えた
悲しみがどう表れるかは人によって違う
呼吸だけに集中とか言うけど目が詰まったマスクをしてたら苦しいだけだ
馬鹿な質問するんじゃない
子熊たちは散り散りになった
#poetry #rock musician