ABOUND

 

工藤冬里

 
 

 

散文的な夜に
散文的な夜には
話し掛けてくる逆光の輪郭はずれ
冒した過ちは
原始的な蓋の容れ物に三角に押し込む
声を大きくすると
秘密を真珠にして

一喜一憂するふたつの管
が水平に下りてゆく黒暗
水平なのに下りてゆく気がするのは
耕作地の向こうが闇だからだ
発音を何度も聴き
神はふたりだけ
流れ込む(merge)支流が行き場を失って溢れた
名前年齢身長服の特徴
水槽の脇で
地元を案内
白黒の鞘入り乱れ
玉蜀黍を思わせる
穴は上昇する
河床勾配は5/1000
湿った灰水色
rover時代のmini
スバルN360を大事に乗っていたら
蛾の服に穴はない
邪悪な天使
ある人は怒るかもしれません
あなたの神は偽の神
光る竹観たすぎ
嫌らしい和風
祭りと祭りを合わせ
穴と穴を合わせる
篤い人
LGBTのガスボンベを交換
旅を良いものにしてくれる筈
本当かどうかは
付いて行かねばわからない
その辺を二つ穴から考えてゆくことにいたしましょう
門構えの形をした門が見える
視線の歩むべき道を教える
秘密を明らかにする
友情について
愛の壮大
一時的に間違った
失われたカ行の発音
さらに愛情深い
父親
オレンジnaranjaの車
書き順を逆に 寄り添う
蒔くと鳥の群れ
ミトコンドリア型錠剤
抉れた左部分が光っている
実際に崇拝されている神はふたり
像 帽子
世とは
ふたりの銀座
本流支流どちらかを選べ
ふたつの管を逆上る
美雨はしゃあしゃあ
抜け殻に本体の蝉の響
釈放されてもすぐに去るのではなかった
ABOUND
掴め
ただ持つんじゃなくて掴め
keep a tight grip
in the word of life
let your love abound
in the hard rain
abound with this hard rain
knowing I ran in vain
or worked hard in vain
be flawless
in the hard rain
knowing that I have run in vain
or worked hard in vain
be flowless
有機体の内部では痒みは
とどめられるどころか
かえって広まっている
be flowless
in the word of this organism
in this flow
river flows
through this organism

 

 

 

うぅ、崎陽軒

 

道 ケージ

 
 

シニセヨ シニイタセ シニサラセ
シカシテ、シルベナイ、シニザマヲ
シカトシルシ、シレシレシレイ

京急カミオオオカ カミノオオオカ
オカミノオカ オオオオオオ オオオオカミ
崎陽軒十二個入りの焼売
マレに飛ぶ飛ぶ

あぁ、「ひょうちゃん!」
小さな醤油入れがヒュー、ヒャー
小舟のようにころがる
楊枝は流された櫂
さよなら! ひょうちゃん!

シハシハシハと泣くシユウマイ
シュウマイのシュウマツ
焼売軍団、噴射!
窓にはりつくヒダヒダを
剥がして舐める
んまっ!
似合いはジンビーム

目指せ、上海
三日月の切っ先
飛ぶ飛ぶシュウマイ
一コ、ニコ、三コ
肉汁クレーター

ミンサーに足から入れて
(けっこう固い)
シュウマツのシュウマイ
作って作らされ
(つぶつぶの君、切れ切れの言葉)
ピース混ぜてみた