横たわって手をのばした、世界に

 

ヒヨコブタ

 
 

ここしばらく
横たわって過ごしていた
世の中のこと、もっと小さな世界のことに
ずいぶんと頭を悩ませてしまった

暑すぎる梅雨の晴れ間に
にょきにょきとわたしは起き上がって
少しずつ歩き出すまでに回復しつつある

どうにもならぬかなしみや怒りに近いものは
やはりあって
世界は通常とは思えない
もぐりこんだわたしの世界の平穏は
途端破られそうにもなる

髪を短くしてもらう間に
少しだけふふっと笑う相手の
小さなヒントのようなものを受け取る
そうだった
これが大事にしたいことだったんだと
ふりかえるとあきれてしまいそうな
ただ真剣に悩んでいたことを理解する

会いに行ける相手ですら今
元気かどうかわからぬ世界に
奇跡的とは大げさだが生きている
少しだけまたふふっと笑う

誰のことも貶まずにいられますように
誰のことも見下さずに生きていられますように
たとえそうされたとしても
その次元に落ちませぬようにと
思い返す

過度な心配は負担になり、わたしはすぐに倒れてしまう
相変わらず弱く、世の中の片隅にいてもいいのかとさえ思う
それらを
ふりはらってふりはらい続けて生きている