たいい りょう
私は
ひとり
空港のロビーにいた
けつして
飛ばない飛行機を
ずっと
待っていた
「パリ シャルル・ド・ゴール空港行き407便の搭乗を開始します」
のアナウンス
私は ロビーで
待ち続けた
脳裏には
かつて訪れた
パリの街の光景
行かないように
とめる母
ロビーは
あともう少しで
閉鎖される
一体
私は 何を
していたのだろう
何かの前触れか
何かの予感か
今朝 某国のミサイルが
海に落ちたそうだ
そして
私は いつものように
現(うつつ)に戻った