代車の顔をした

 

工藤冬里

 
 

描くべきではない代車の中で描いている
ノイズ・エッセイの次元で塗る色のあれこれが
見えていない風景に置かれると
遺失は突然顕になる
鋭敏な、冴えた状態sober(2tim4:5)を保ちなさい
助言されると「津軽」の
「酒飲みというものは、酒を飲んでいない時にはひどく厳粛な顔をしているものである。」
を思い出す
(嘘は寒いぜ濁らない)
書くべきではない代車の中で開戦前夜の黒い溝(ドブ)の上澄みのように透明だ
松前には良い公園が3つあり、みな水系を意識して造られている
その代わりに住民は癌で死ぬ
そうやって代車でオウテカを流しながら
ノイズ・エッセイ的なものとは何か、を考えていた
それはいたたまれなさとの分離が完了した公園の
草木も鯉も鴨も見えていない形態である
(DJ代車)
その限定された晴れがましさはシェア・カーに慣れた東京の人には伝わりにくいだろうな、と思う

 

 

 

#poetry #rock musician

袖師 横砂 庵原 覆盆子山 ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 32     musashi 様へ

さとう三千魚

 
 

午後の広場に
ミャンマーの人

叫んでいた

国軍の
残虐を

叫んでいた

日が傾き
青年が

声を
掛けてくれた

青年の住む
地名を

教えてくれた

くちなしの白い花が好きだという

袖師横砂庵原
覆盆子山

木苺の花の咲く
山が

あったのだろう

草の下に
母がいる

 

 

***memo.

2023年2月5日(日)、静岡駅北口地下広場で行ったひとりイベント、
「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」第九回で作った32個めの詩です。

仲野麻紀さんの”OPEN RADIO”をリピートしてJBLの小さなスピーカーで鳴らしていました。

タイトル ”袖師 横砂 庵原 覆盆子山”
好きな花 ”くちなし”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life