michio sato について

つり人です。 休みの日にはひとりで海にボートで浮かんでいます。 魚はたまに釣れますが、 糸を垂らしているのはもっとわけのわからないものを探しているのです。 ほぼ毎日、さとう三千魚の詩と毎月15日にゲストの作品を掲載します。

島影 22

 

白石ちえこ

 
 

千葉県 久留里

城のある町へ向かった日。房総半島旧道。
白い鳥がたくさんとまっている樹が遠くに見えて、近づいてみると鳥ではなくて大きなモクレンの花が咲いていた。
その近くにあった樹は土に埋まった蹄のある動物の頭部にも見えた。
幹がぐんぐんとのびた角に見えたり、または、木肌を押し破って出てきた白猿が東に向かって頭を下げ、手を合わせて拝んでいるようにも見えた。
鏡の中の、もうひとつの国に迷い込んでしまったような奇妙な一日だった。

 

 

 

He cannot speak German, still less Russian.
彼はドイツ語はもちろんロシア語も話せない。 *

 

さとう三千魚

 
 

midnight

awakened

after dinner
I fell asleep

on the sofa

awakened

took a shower

at midnight
took a lukewarm shower

the fan is spinning in the living room
Shaking the head

Moco is sleeping under the table

in the evening
I took an English conversation lesson

if English becomes familiar to the lip
go on a journey

He cannot speak German, still less Russian *

 

 

深夜

目覚めた

夕食の後に
眠ってしまった

ソファーで

目覚めた

シャワーを浴びた

深夜に
ぬるいシャワーを浴びた

誰もいない居間で扇風機が回っている
首を振っている

モコはテーブルの下で眠っている

夕方に
英会話のレッスンを受けたのだった

英語が唇に馴染んだら
旅にでる

彼はドイツ語はもちろんロシア語も話せない *

 

 

*twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

怖れ

 

工藤冬里

 
 

絶望するしかないわけではありません
埃のように私は舞う
食事と睡眠どっちが怖いか分かりません
エルピスというのかギリシャ語で希望
なんていうんだろう絶望は
疎開先では飢えが怖い
入って来ないように灯りを消そう
書く欄がありません
ソーランを養う
山鳩は歌う
力強い羽音に狂う
今日はトンボたちだけが酔う
一緒に住むことを快く思う
って言ってるだけじゃだめなんだって
空の青に剣
飲み物としての眠気も怖い
決意ができていない
早く起きろよ

 

 

 

#poetry #rock musician

The children hung about their mother.
子供たちは母親にまとわりついた。 *

 

さとう三千魚

 
 

Midnight

After taking a shower
In front of the desk on the second floor

Rowing a boat

The boat was shaking

My head fell down

Once

I’ve been alone in the sea with a small boat

At the end of the breakwater
Anchor down

I hung a white thread in the sea

To fish finder
A fish shadow was reflected near the sea floor

The fish had flocked together to form a thick shadow
The fish were flocking and had a dark shadow

The fish were playing

The children hung about their mother *

 

 

深夜

シャワーを浴びたあと
二階の

机の前で
舟を漕いでいた

揺れていた

頭が

がくんと落ちた

かつて

小舟でひとり海に出たことがある

離岸堤の先に
アンカーを降ろした

白い糸を海中に垂らした

魚探には
海底近くに魚影が映っていた

魚たちは群れて濃い影となっていた

戯れていた

子供たちは母親にまとわりついた *

 

 

*twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

迷い出た羊のバラード

 

工藤冬里

 
 

ababbcbC
ababbcbC
ababbcbC
bcbC

解像度という飲み物
居酒屋のような明かり
垂れ下がる洗濯物
柿の実は太り
髪もくるり
やましさの故に
飲めないくすり
二つの夕方の間に

愛されてはぐれ者
雲塊に阻まれる祈り
彷徨うのは標野
以前の死者との隔たり
わたしを自分で屠り
食用のために
自分で調理
二つの夕方の間に

モオブからモノ
日本と同じみどり
納屋から斧
作業の滞り
思いは偏り
試練を蝶結びに
アクアパッツァにはアサリ
二つの夕方の間に

道は先細り
羊は南(エル・スール/ネゲブ)に
食べるなら微塵切り
二つの夕方の間に

 

 

 

#poetry #rock musician

我が家の庭紹介/Introduction to my garden

 

辻 和人

 
 

ドミッッミ レファッッファ
ファラッッラ ソシッッシ
ドミッッミ レファッッファ
ファラッッラ ソシッッシ

ミヤミヤが夏休みを利用してウチの庭の動画を作った
たった3坪ちょい日当たりも良くない
けど庭師さん呼んでああでもないこうでもない
渾身の力傾けて植えるもの考えた
ミヤミヤ魂こもった庭なんだ
約2分で非公開のくせして英語字幕入り
チープなフリー素材の音楽もついている
そんな動画をご紹介します!

「はじめに我が家に1つだけある寄せ植えです」
This is a flower pot at the entrance.
「トウガラシ、ミント、アイビーなど。アイビーが存在感ありますね」
Red pepper, Mint, Ivy, etc., are there. Ivy has a presence.

鉢から零れんばかりの緑のもじゃもじゃ
「目線」がふうわり近づいて、静止
この前面にあるのがヒトデ型の葉っぱの奴がアイビーだな
狭い狭い空間を埋め尽くして
伸び足りない伸び足りない
伸び足……

「南側の庭」
This is a garden on the south side.
3坪の庭の左横から「目線」がふぅっと入ってくる
下方に落として、落とし過ぎか、おっ少し上に修正しました
「いろいろ植わっています。ソヨゴ、ゆず、ジューンベリーなど」
There are various plants, such as Longstalk, Yuzu, Juneberry, etc.
右から左へゆっくり移動する「目線」
ナツハゼもあるね
うへぇ
数本しか植えてないのに結構鬱蒼とした感じじゃん
夏の威力か
いろんな濃さの緑がぎらっと光る
ゆず、今年はあんまり実をつけてないな
去年は結構取れたんだけどな
おっと

「目線」、不意に上方に浮いて
「ジューンベリーがかなり伸びてきました」
The Juneberry tree grew tall.
ねえねえ、このジューンベリー
冬にぼくがハシゴ使ってギッッチョギッッチョ枝切った奴なんだよ
あんなに切りまくったのにもうこんなに伸びてるのか
画面をさわさわ揺らして勝利宣言
植物様には敵いません
秋になったらまた切るかなあ、と思ってたら

「目線」が下に切り替わる
左から右へゆっくりと
「下草も元気です。ヤブランどんどん増えています」
The plants beneath trees are perky. Liriope is growing steadily.
ほんとだ、植えたのは一カ所だったのに
いつのまにか庭中に点在してる
細長い葉がしなっと半円描いて澄ました様子
庭は毎朝見てるつもりなのに気がつかないもんだ
と、

「目線」が不意に真下へ
「グラウンドは芝にしたかったのですが、日当たりがあまりよくないので、
実際はコケと混合です」
I wanted the ground covered by lawn. But actually, it is a combination of lawn and moss, since it is not so sunny.
そうなんだよねえ
芝があんまりふさふさしなくてねえ
水やりが不足してるのかと思ったらそういう問題じゃないらしい
でもね、悪くはないんだよ
ここで「目線」がぐっと地面に近づく
じっとりじっとり土に粘りつくコケ
味わいあるよね
芝とコケ、仲いいんだか悪いんだか絡み合うように共生している様を
「目線」は舐めるように映して
そのまま庭の右奥へ、と思ったら

「シソを昨日植えてみたのですが、早速虫に食われてしまいました」
I planted Perila yesterday. It was already eaten by insects.
穴あきの葉っぱをクローズアップする「目線」
ありゃありゃ
ぼくもミヤミヤもシソは大好き
増えたら刻んで冷ややっこの薬味に、なんて思ってたのに
植物の繁殖力もすごいけどそれを狙う虫の食欲もハンパない
残念に感じているのか
「目線」はしばらくシソの穴あき姿を愛おしそうに撫でる
気を取り直して

「こちらは玄関の植え込みです」
There are plants near the entrance,
北側の玄関サイドを左横から覗く「目線」
白い家の壁に緑が映えてるね
家と自動車の間の縦30センチ横2メートルの極小スペース
「アジサイ、ソヨゴなど」
including Hydrangea, Longstalk holly, etc.
このアジサイ、茎のトコぶっとくて木みたいなんだよ
右端の名前わかんない庭木は緑の実に甲虫が集まっちゃって大変
「目線」、上に向かったか、
もう次?

「コンクリートの隙間はクリーピングタイムを植えました」
I planted Creeping Thyme in the space between the concrete.
クリーピングタイムって地を這うように伸びるハーブで
春にはピンクの花が咲く
「目線」、ちょっと近づきました
しばらく静止
駐車場のコンクリートの細い隙間の土から
きっちり水分養分取って
もしゃもしゃたくましく生きてます
「目線」、もしゃもしゃを軽く追っかけて

「庭を屋内から見るとこんな感じです」
When I view the garden from inside, it is like this.
大きな窓越しに庭を眺める
正面から近づいて
「目線」、ゆっくり左から右へ
ジェーンベリー、ゆず、ナツハゼ、ソヨゴ
お澄まし顔で整列
うん、これはいつものおとなしい庭の植物って感じだ
家の外ではやんちゃだが内からだとと猫かぶってる
「目線」、また正面に戻り
両脇にカーテンが軽く映るくらいまで
下がって、下がって、下がって

横長長方形のフレームに
ふぅわふぅわ浮かんだ庭
「目線」が一生懸命整理してくれたおかげで
3坪ちょいの我が家の庭の<今>がとーってもよくわかったよ
ミヤミヤ魂
家の外でも内でも
フレームありでもなしでも
しっかり漂ってた
お疲れっ、よくできてるよっ

「ご視聴いただき、ありがとうございました」
Thank you for watching the movie.

ドミッッミ レファッッファ
ファラッッラ ソシッッシ
ドミッッミ レファッッファ
ファラッッラ ソシッッシ