花もて語れない

 

工藤冬里

 
 

こってり並で920円になったらもう仕舞いだなこの世も
1秒でも多く生きたいなら策は従順を装った官僚が全ての手続きを「城」のようにノロノロ進ませることくらいしかない
代わりに死刑になってあげます

ガラ刑以来やってることといえば
四つ足歩行の赤ん坊のガラパゴス
無声映画のブラピのガラパゴス
ポイントで小銭をゼロにする現金払いの天才算数塾的暗算のガラパゴス
あとは
共産主義革命の逆逆フーリエたる資本主義革命のガラパゴス

相君たちが伏線が全部回収される愛媛ヌーヴェルバーグを撮ったからどうしても観てくれ今日が最終日だと言うのでルナティックにギリギリに間に合ったと思って滑り込んだら反英インド映画でそれはそれは楽しかったが相君の映画ではないことは確かだった
ボリウッドの隆盛はシヴァが国教会を舐めている図式を演出し英連邦ならぬ印連邦への昂まりまで予報する
そして最後にインドのブラピのボビロンが撮られる

(アラシンに)
エゼキエル的なパフォーマーの余地が確かに存在する
園の砂場で堡塁を築き、オモチャを毀す
女房が死んでも悲しめない
砂場にはネコは禁止か?
禁止だ
禁止か?
致酔飲料は愚かか?
愚かだ
愚かか?

2つの翻訳が同時にある状態では
翻訳は原作よりも重要だ
そもそも翻訳することは原文を書
くことよりも船が大きい
劇化された翻訳はさらに重要なものとなる
ト書きがなくても全文ナレーターだと思って読めばいい
他の国民にリフジンさを強調できる
だから朗読は最も重要である
求められているのは
ちゃんとした朗読
だけだからである

 

 

 

#poetry #rock musician

高低差 気球

 

工藤冬里

 
 

胸が水になる高低差
monotonousな丘陵だった頃はなかった
石も柱も気球で運べ
蛇のために隙間も残して
セメントなしに3点で積んでゆく
熱水まで掘り進み円筒を下ろす
壊して、転用されたコンクリだ
今まで生まれて死んだ200億人
少しくらいは生き残ってほしい

 

 

 

#poetry #rock musician

代車の顔をした

 

工藤冬里

 
 

描くべきではない代車の中で描いている
ノイズ・エッセイの次元で塗る色のあれこれが
見えていない風景に置かれると
遺失は突然顕になる
鋭敏な、冴えた状態sober(2tim4:5)を保ちなさい
助言されると「津軽」の
「酒飲みというものは、酒を飲んでいない時にはひどく厳粛な顔をしているものである。」
を思い出す
(嘘は寒いぜ濁らない)
書くべきではない代車の中で開戦前夜の黒い溝(ドブ)の上澄みのように透明だ
松前には良い公園が3つあり、みな水系を意識して造られている
その代わりに住民は癌で死ぬ
そうやって代車でオウテカを流しながら
ノイズ・エッセイ的なものとは何か、を考えていた
それはいたたまれなさとの分離が完了した公園の
草木も鯉も鴨も見えていない形態である
(DJ代車)
その限定された晴れがましさはシェア・カーに慣れた東京の人には伝わりにくいだろうな、と思う

 

 

 

#poetry #rock musician

まだまだ硬貨が必要だった頃僕は

 

工藤冬里

 
 

ねにうえお年金一万五千円
ラりうレおウララ宇宙の風に乗る

まだまだ硬貨が必要だった頃僕は
工事中のハイウェイの下道を
白黒アフォーダンスに先導されながら走っていた
ナビは凍結注意を連呼していた
雪曇りの旋律が幾つも消えた
金はいつも
無駄遣いだった
仏語では右はいつもストレートに正しかった
不具合でさえ
正しかった
tout droit
国道のような人生があり
県道のような人生があり
農免道路のような人生があった
しかし私道は必ず行き止まりになりながら楽園に肉薄した
肉薄!
星のように裏側から肉薄した
ハイウェイから零れ落ちる者たちが舞った
それらを仕舞のポーズで見舞った
それが無頼というものだった
雪山は巨大な蚤が現れたようだった
それなのにパジャマのまま犬を散歩させていた
バサバサと書類は飛んだ
ひとおもいに退職したかった
やきとり屋はぼるがといった
大鋸屑の備長炭を使っていた
押し固めたチョコレートのようだと思った
遭難の際にはチョコレートが必要だ
今年ももう終わった
芽吹くのは、嘘だと思った
カラスはジグソーパズルの欠片のように空に嵌まっていた
落ち葉も細長い枯れ草も先を争って旋回していた
車たちはいろいろな色をしていたが昼のチャイムのように無意味に思われた
寒さは色にまさっていた
陽性の一人身は枯葉が見舞ったが
「凍(いて)」は孤独さえ孤独から引き摺り下ろした
国旗のはためく建物は注意深く記憶に収めた
ワシントンヤシのある、、
日の丸と星条旗と寒さが競っているのを志賀直哉のように観察していた
間違った黒を着ている人が多かった
桜の木のような黒であるべきだと思った
バタイユが冒頭で失業を出すのは狡いと思っていた
(ただそれで仕事・青空という曲を作ったんだった)

脳梗塞の祈りが蚯蚓の原を堰き止めている
ヤベツ校長の3つの願いとは校区を拡げ共にいて
災厄に遭ってもメンタルで害が及ばないようにして欲しいということだった
理由を知ることによって戦いを進めることができる
分画は感情と同じくひとの全体ではない
自由意志は愛のドームの境界内にある
感情ではなく原則に従って良心が働くようになればいいのに、と思った
まだまだ硬貨が必要だった頃のはなしだ

 

 

 

#poetry #rock musician

6時間で復活せよ

 

工藤冬里

 
 

死こそが最高のメンテであるような眠りを眠れ
眠りが最高のメンテであるような死を死ね
石膏はその力を失い混ぜても混ぜても反応を起こさない。学校で教わったような熱はでない。あれはただの体温だったのだ。いつまでもしんじつでげんじつでどろどろのままだ。A級は.73、特級は.64、正確に測ってもとろとろうたいだしてしまう。
ひしゃげた未來の天氣がいつも雹の混ざったst.ivesの強風
鉛筆を削るように亜墨利加人を削り
使えるようになった三味の糸巻
孔を穿つべく掘り進み
遂には裏側に至る乎
あゝ服の外は零度
零度のヴィジョンの温さ
終バスは南口を出
居ない妻君は出版し
モノクロのカモメはマナティの夫を見る
ナースコールのように波は来る
いつかのいつかの防波堤で
差別を溶かした葛湯の中に
せろせろと入れてみせた希望
出勤まであと6時間
6時間で復活せよ

 

 

 

#poetry #rock musician

Nightshift

 

工藤冬里

 
 

1月9日
猪の肉饅なんかだれまりは食べれんよ

1月10日
前にウェールズで焼き物のフェスがあるというので出かけたら日本の〇〇焼祭りといったものではなくて、普段一人で仕事しているstudio potter達が集まって楽しむためのイヴェントなのだった。速成築窯や超大物を挽く実演の他にも有志のバンド演奏などあり楽しかった。音楽家達にも応用できる考え方だと思った。

1月12日
ボウリングのピンのようにウタモノは倒れた
ケダモノだったので焼き払われた
最下層の住民だけが生き残った
生き残って夏の果実を集めていった
カラーフィルムを貼ったモノクロのジャケットのように
確かめられるんです
まだ水筒持って映ってんのか
使い古したマスクで窒息しながら
歌おうとしたが
窄んだ肩では菌に立ち向かえなかった
全ての船員を鎖輪と考え
倹しい発泡のものごし生を
リフォームする鯨の枠組みの内部で飲む平和食べる安心
大リーグボール養成ギブスなんて着けるから伸びなかったんだよ
胸襟を開いて
全てを終わらせます
大本営発表の声色が
白亜の岸壁
砂糖漬け
レゴのようなものが散らばっている

1月13日
モールの中の郵便局から今送りました
レター・パックに書き込む時、充電器とかを入れたレジ袋を忘れていて、すぐに取りに戻ったら取っておいてくれていました
タリーズでダブル・エスプレッソを頼んだら普通に小さいカップで出てきました
愛媛がエスプレッソを理解するのに20年かかったということか

1月14日
ナイトシフト、という曲を歌おう、という心意気が泣けるんだな
夜勤の皆さんお疲れ様
https://youtu.be/GsTKEQzLkmw

雪の山というのはスマホでは撮れないので遠近法を壊しながら雪の山をあなたにあげたァ!と絶叫しながら肉眼で見るものだ。ニクガン。肉の眼。これで分かっただろう。イカレポンティ。

宇宙を通して行く道は塞がれた。生物を通って行く隘路も障害が多い。今は地中も狙われている。最後は言葉のみだ。言葉を扱う者たちの血飛沫が上がっている。高慢さに対して身構えなさい。

スピノザはスピっていたのではない。健康が命より大事というネタに忠実だっただけだ。遁走する数学者のばら撒いたパズルを見て、嵌まることは夏椿の陰に優る、と。

1月15日
滅ぼされてしまうからという動機だと力にはならず、滅ぼされても良いという考えに横滑りしやすい。集まって野菜作ろうなどと言ってはみるものの愛の言葉は立たない。

 

 

 

#poetry #rock musician

接続詞で繋いでみる

 

工藤冬里

 
 

Aber
FMで82年特集とか
泡立つほどにまさに敵だな
理由は倫理的なものではなく技術的なもので
要するに音程や音色の選択が音楽に追いついてないからだ
そういう点でわりと憂国というか恥ずかしいんだおれは
Aber
地区、音乐与实践region, music, and practice」というタイトルがいい
https://www.instagram.com/p/Cmy5_DjNz0V/?igshid=YmMyMTA2M2Y%3D
Aber
4は地的な完全数と言われているが東西南北のことではない
それは1+1+1=4であるような次元の話なのだ
例えば3人家族という三角錐は4面を持つ
フラーが言うように、ものごとは4によってはじめて稼働するのだ
Aber
フレディグリーンて石渡が好きだったな
Aber
アーメン
とは
暴き出す
ということ
Aber
ヒロシです
一日一日が正月です
ヒロシです
毎年毎年が忌中です
口が裂けても明けましてを云わず、賀状の返事も出さないのでこれで勘弁

拾ったペンで髪を撫で上げた人に毎日が正月ですヒロシと返事して安らかに墓に入ると言わしめながらネコに殺される
名を覚えられないまま再建された天神に登る石段に人骨を焼く煙が全てのイントネーションを裏切って
針が振り切れる

Aber
一瞬でニカさんと渋谷さんと分かる凄いな
「離れていくなんて臆病です
の発声が良い
「幸せはつるべおとし
のデュエット部分 とか
「さっきはごめんなさい
の傲慢と謙遜の針の振れ
オザケンはあんまり
でもライザみたい
とかいってるうちにサキちゃんちに着いた
Aber
https://youtu.be/6mjbQW1Yt0E
昔鈴木君や山岸君がすのすの言い合っていた頃僕の雪ですの?を浩一郎がえらく評価して雪の倉に納める勢いでいやちょっと待てこれは凄い雪でしょスノーでしょとぶつぶつ、急に思い出した。
生きていたらえ、マイケルスノーは死んだんdeathの?と言うことになるが、今度は受けない気がするなんとなく
Aber
今日は公園に誰も居なくていつもみたいにわあわあしてる図書館車動画を挙げられなくて子供が来なくなった良寛みたいな気分だ
Aber
竈馬を食べた輩のブログに「うまい」とあり馬だけに、と思う
Aber
音楽にはもう動向なんてない
去年のベスト10とか得意気に人の音楽を選ぶより自分の身辺整理の方が先だろう
知り合いの生き死にの所作に目が行くぐらいだ
竈馬は光には反応しない
息を吹きかけると飛び上がる
Aber
夢が自由というのは障害物を出す自由であって
そういう意味で言うと自由民主党というのは自由に膿を撒き散らすことの出来る夢のような党である
夢のようなとは緩むということで
歯軋りしながら緩めるという曲芸であり
大道芸より難儀なことを毎夜
主たる民の身体は行っているのである

 

 

 

#poetry #rock musician

電車の中で眠る

 

工藤冬里

 
 

夜になると石灰化する頚骨が鳴り始める
羽に埋もれ寒さの下を潜ろうとする
指の付け根のように谷は山に食い込む
藤色とライトグリーンは永絶には似合わない筈だ
賢い人も愚かな人も、人の記憶にいつまでも残ることはない
月日がたつと誰もが忘れ去られる
住んでいた場所でも忘れ去られる
電車の中で眠る
森の中ではない
先回りの死者として電車の中で眠る
内回りも外回りもなく泥になっている
深爪のように

 

 

 

#poetry #rock musician

わたしの車で行こう

 

工藤冬里

 
 

路面凍結しても
七草が見つけられなくても
手のひらを刺し通されても
ラブシャケやFBIが工作しても
生姜や葱が足りなくても
看守のために祈り
發音が人形劇のようであっても
怒り狂って道連れにしようとしても


国に陽が当たり
ジャズに影が差している
地軸は傾きを矯正され
私たちはストレートネックとなっている
北からの見えない波の濃淡を測定せよ
いつまでですかと問い続けよ
新しい歌が歌われるまで

阳光照耀着国家
爵士乐上有阴影
倾斜轴线在拉直
我们成了直肠子
衡量北方的波浪
继续问它有多长
直到新歌被唱起

 

 

 

#poetry #rock musician

助ける人は一人もおらず惨めな人さえも残っていないほどだった

 

工藤冬里

 
 

El rey del sur chocará los cuernos con él 南の王は彼と角を突き合わせる
割ってみたら紫だったが甘くなくてかなしい
Mis enseñanzas caerán como la lluvia 私の諭は雨のように降る
Vuelvan a mí, y yo volveré a ustedes 帰って来い。そうすれば
“Sci-Fi Party”
Una nación ha invadido mi país ある国が私の国を侵略した
繰り返されるべき回数を超えて演奏されるミニマルが恐ろしいのは戸が開いてミミズが出てしまうからだ
今日も残り物の猪弁当です
濃いので卵で綴じていますから親子他人というよりケモノ丼といった趣です
それにしても北山認知軒のワンタンは髄を出し切る野蛮なスープが絶品だった。
一番寒い日にはわざと薄着にしたくなる
日本人ほど神を畏れる民族はいないが日本人ほど崇拝の方式に無頓着な民族もいない
サマリヤの如く全ての生い茂った樹の下に取り分けられた木や石の柱を置いている
恐れはあるのですからどんな方法で行うのが良いと思いますかと尋ねるだけで良いのです
ターメリックに漬けたマッカランが光っている
中野重治評論集が関東炊きの色濃さのなかに昭和は黒く染まって酌のあてとなっていた
メジャーに行くと却って無名になり遠ざかったような気がするのは悪霊の無名性を帯びるからだ
1970年潮7月号割腹半年前の三島寺山対談は二人共間違っているが必然とジグザグの偶然がぶつかり合っていて面白い
寺山が悟性、悟性と世の霊の悪影響を使い倒すのは古めかしくて良い
二人共コンピュータを悟性とすり替えるなという意見では一致していて流石慧眼ではあると思った
ウマブドウ毒かと思てましたが薬らしく
売ってますね
寺山はずるいブランショもずるい
僕にとって人を裁かないための唯一の方法は有罪者として裁かれる側に身を置いて無罪のための微かな窓の位置は確認しつつもsuspendeadの期間を絶望を食べながら生きることです

 

 

 

#poetry #rock musician