さとう三千魚
日は沈んだ
モコと
近所を歩いて
帰ってきた
西の山の稜線の上に
仄かに
真珠の
空が
見えた
帰ってきた
溟い部屋の奥で
マリア・ユーディナを聴いている
平均律の22番を
聴いている
表層で
くりかえし
波は
干渉し
あたらしい波は生まれた
中層から
深層へ
うねりとなり
うねりは
突然
表層にあらわれた
女は
海だろう
海の身体だろう
純粋身体だ
女はこの男を産んだ
消えて
顕れる
*タイトルは、twitterの「楽しい英単語」さんから引用させていただきました.
#poetry #no poetry,no life