6月9日香港

 

Sanmu CHEN / 陳式森

 
 

暴雨的六月,坍塌。
緊閉的眼不在,
暴露出遺忘的內部。
美哉!少年郎……

經歷過的人們停止了活著,
他們飲茶飲恨,
卑微地儲蓄著陰性的雲雨,
綿綿不斷。他們交稅交水費
而眼睛這無辜的石頭
被噴滿殘暴的胡椒
少年 ! 大雨滂沱
鼓點因拒絕漠然而狼狽
如不堪的雷聲。
心裡的暗啞成了叫喊,
以後的沈重加深月份,
流火的化石眼神卷刃……..
追随雨,殘缺的編年史。

少年,你還好嗎?

 
    .
 

暴雨的六月,坍塌。
 激しい雨の六月に、崩れ去る。
緊閉的眼不在,
 固く閉じた眼は、いまは無く
暴露出遺忘的內部。
 忘れていた内部をさらけ出している。
美哉!少年郎……
 すばらしいぞ! 少年よ……

經歷過的人們停止了活著,
 時を経た人々は生きることをやめ
他們飲茶飲恨,
 彼らは茶を飲み、うらみを飲み込む
卑微地儲蓄著陰性的雲雨,
 陰性を示す雨は意味もなく溜め込まれて、
綿綿不斷。他們交稅交水費
 降り止まない。彼らは税金を納め、水道料を払い
而眼睛這無辜的石頭
 そして眼というこの罪のない石くれには
被噴滿殘暴的胡椒
 乱暴に胡椒をぶちまけられている。
少年 ! 大雨滂沱
 少年よ! 大雨はふりしきり
鼓點因拒絕漠然而狼狽
 鼓の音は、拒絶され、所在なげにうろたえる
如不堪的雷聲。
 しようのない雷鳴のように。
心裡的暗啞成了叫喊,
 心のうちの暗い沈黙は叫びとなり、
以後的沈重加深月份,
 それからの重苦しさは、月ごとに深まり、
流火的化石眼神卷刃……
 流れ星は化石となり、その眼差しは鈍く濁り……
追随雨,殘缺的編年史。
 雨を追い従うのは、とぎれとぎれの年代記。

少年,你還好嗎?
 少年よ、きみはまだ大丈夫かい?

 

日本語訳:ぐるーぷ・とりつ

 
 

 

 

 

うつりゆく景色

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 08     kiyomi様へ

さとう三千魚

 
 

過ぎていったよ
雲のよう

流れていったよ

大切なもの
わたしの

ひと

あじさいの
花のなかに

かたつむり
いるよ

いるよ

 

 

memo.

2022年5月28日(土)、静岡市の水曜文庫という書店で行ったひとりイベント、
「無一物野郎の詩、乃至 無詩!」で作ったやっつめの詩です。

お客さまにお名前とタイトル、好きな花の名前を伺い、その場で詩を体現しプリント、押印し、捧げました。

タイトル ”うつりゆく景色”
花の名前 ”あじさい”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

おとうと

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 07     kenta様へ

さとう三千魚

 
 

叫びたい

ことが
ある

けど
叫ばない

話したいことが
ある

けど
話さない

おとうとは
レンゲ畑に佇っていた

バットを
振りまわしていた

レンゲの花が
咲いていた

一面に咲いていた

若い
若い

おとうとがいた

 

 

memo.

2022年5月28日(土)、静岡市の水曜文庫という書店で行ったひとりイベント、
「無一物野郎の詩、乃至 無詩!」で作ったななつめの詩です。

お客さまにお名前とタイトル、好きな花の名前を伺い、その場で詩を体現しプリント、押印し、捧げました。

タイトル ”おとうと”
花の名前 ”レンゲ草”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

求められているのは

 

駿河昌樹

 
 

やはり
書くということは大きい

文化
というが
あれはやはり
文に化する
ということだろう

文にしてみる
言葉にしてみる
文字にしてみる

ソクラテスのように
イエスのように
ブッダのように
書かなかった賢人もいる
たぶん
そこが理想の到達点ではある

しかし
言葉にしてみる
文字にしてみる
文にしてみる
という径路もある

たぶん
文字や言葉や文そのものが大事なのではない
けれども
そうした物質化の過程で
跳ね返ってくる大きな反作用があって
それは精神を変容させる

求められているのは
そんな変容だ

文字や言葉や文を携えて
次の世界に行こうなどということではない
求められているのは

 

 

 

夜明け前の結婚式

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 06     ryouta様へ

さとう三千魚

 
 

手を
繋いだ

ことがある

夜中に
手を繋いだこと

がある

夜明け前に

きみの花が咲く
のをみた

ほそい首の先に
ピンクの花を咲かせて

いた
エケベリア

夜明け前に

いつまでも
きみをみていたい

 

 

memo.

2022年5月28日(土)、静岡市の水曜文庫という書店で行ったひとりイベント、
「無一物野郎の詩、乃至 無詩!」で作ったむっつめの詩です。

お客さまにお名前とタイトル、好きな花の名前を伺い、その場で詩を体現しプリント、押印し、捧げました。

タイトル ”夜明け前の結婚式”
花の名前 ”エケベリア”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life