工藤冬里
父の遺品まで全部焼いてしまった後しょうがなく炭を買い足しに行った帰りマスクせずにローソンに入ってカツ丼みたいなやつと和歌山ラーメンというのを買って車で食べた
恭子さんが聞いたら卒倒しそうな最低の土方の食事である
温度が上がらないので他のことはどうでもよかった
軈て煙突がぬけて白い火が吹き上がった
#poetry #rock musician
it’s morning
night
becomes morning
becomes morning
outside the window
the west mountain
floating in the light blue sky
the sparrows
are singing
awake in the middle of the night
I wrote about the Buddha statue in Enku in a letter
letter
send to you
the west mountain is floating in the blue sky
・
I was hard up for something to say *
朝になった
夜は
朝になる
朝に
なる
窓の外の
西の山
薄い青空に浮かんでいる
雀たち
鳴いている
夜中に
目覚めて
円空の仏像のことを手紙に書いた
手紙を
きみに送る
青空に西の山が浮かんでいる
・
私は言うことがなくて困った *
* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.
#poetry #no poetry,no life
二番町の焼けたくるきちのことを書こうと思ったけれども
まだ騙す人が沢山立っている戦後で
柳の下にずらりと並んだ屋台の
砂糖でくっきりさせた敗戦の甘味が
棚引いて
棚引いて
無いはずの時間が
曖昧な近い過去の
熱量の落差ゆえの現在となって
かめそばの上で削節が踊る
抗争の北京町
組員皆殺しの夢を見ながら
湯割りで調節する熱量
#poetry #rock musician
everyone
left
became a white bone
grandmother too
father too
mother too
brother-in-law too
brother too
Nakamura-san too
Watanabe-san also
that
girl too
everyone
everyone
left
I’m carrying a wide sky now
I’m holding a wide sea now
blue rock thrush
looking for
now
・
Turn off the radio *
みんな
去っていった
白い骨になった
祖母も
父も
母も
義兄も
兄も
ナカムラさんも
ワタナベさんも
あの
女のこも
みんな
みんな
去っていった
いまはひろい空を背負っている
いまはひろい海を抱いている
磯ヒヨドリ
探している
いまは
・
ラジオを消しなさい *
* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.
#poetry #no poetry,no life
新しいローソンがトラックを五台停めて浮かび上がっている
ラジオからは魔王が流れています
攻撃にさらされている
シューベルトのように
わたしは失敗している
動画をスローのスクリューにすると
勝手に明かりが点い たりする
やばい
やばい
やばい
父が音を立てて見回る
ランドリーはばかでかい
顔を
消去してゆく
センターラインを超え
身動きを取れなくしてゆく
目玉
携帯がびーびー震える
僕はあの温泉が嫌いだ
菌がいっぱいで
ファーター!
ファーター!
魔王が見える!
それはおまえに隙があるからだよ
たかのこの湯はちんころの湯だよ
黄信号が点滅する吹雪の道で
音を立てて見回る
くめの湯に向かうよ
BOSSの自販機があるから
地球だと分かるよ
#poetry #rock musician