michio sato について

つり人です。 休みの日にはひとりで海にボートで浮かんでいます。 魚はたまに釣れますが、 糸を垂らしているのはもっとわけのわからないものを探しているのです。 ほぼ毎日、さとう三千魚の詩と毎月15日にゲストの作品を掲載します。

From the top of the hill you can look over the city.
その丘の頂から町を見渡すことができます。 *

 

さとう三千魚

 
 

at the harbor
listened

that voice
I heard it by the window

even in the port town
even at the beach park

I have listened

it came to the tangerine on the windowsill

surely
it is coming

in spring
with a jewel-like voice

calling a female

blue bird
blue rock thrush

there is a small mountain to the west of the port town
in the middle

there is a tangerine field

From the top of the hill you can look over the city *

 
 

港で
聴いた

あの声を
窓辺で聴いた

港町でも
海浜公園でも

聴いたことがある

窓辺の蜜柑に来てくれた

確かに
来ている

春になると
玉の声で

雌を呼んでいる

青い鳥
イソヒヨドリよ

港町の西には小高い山があり
中腹に

蜜柑畑がひろがっている

その丘の頂から町を見渡すことができます *

 

 

* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

いらないものは捨てちゃえば?

 

一条美由紀

 
 


愛しい人と夢で話す
愛しい人に夢を話す
ソファに座る二人には
ソファに座る二人にも

 


科学を推論するのではなく、
自然の成り行きを見つめてる

 


何のテストなのか、
答えを書き続けている
わかったフリに意味はあるのか
快速電車と競争しているような馬鹿馬鹿しさ
疲れてるけど
やめられない。
息を止められない。

 

 

 

It’s hard to put it into words.
それを言葉にするのは難しい。 *

 

さとう三千魚

 
 

it’s
like rain

this morning

when I open the window
the top of the west mountains is surrounded by white clouds

for tangerines on the windowsill
the pair of bulbuls have come

they flew away

also today

yesterday too
the day before yesterday too

I didn’t see the sea

“The snow on the road has already melted”

my sister
she was saying on the phone

in the movie “It must be heaven”

on the way
I fell asleep

how did it

carrying sin
did that person die

It’s hard to put it into words *

 
 

雨の
ようだ

今朝

窓を
開けると

西の山の頂は白い雲に包まれている

窓辺の蜜柑に
つがいのヒヨドリたちは来た

飛んでいった

今日も

昨日も
一昨日も

海を見なかった

“もう道路の雪は溶けたよ”

姉は
電話で言っていた

“天国にちがいない” という映画では

途中
眠ってしまった

どうなのかな

罪を背負って

あの人は
逝ったのか

それを言葉にするのは難しい *

 

 

* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

雀蜂の巣穴から聞こえてきた

 

工藤冬里

 
 

いつまで私は思い悩み、毎日悲しみに暮れなければならないのか
商店たち
白い商店たち
それは自分で解決できる問題ですか
どうしたら良いだろうか
風がどどぅと楸(ひさぎ)の白に
桐のように伸びる 赤目柏の暖色LEDの白空に
穏やかさを保つための錨を持つ
おだやかさをたもつためにいかりをもつて可笑しい
一切心配してはいけないという意味ではないわ
紀元前六世紀以前の人々は不完全ながらまだ風の感じ方はまともだった
一七世紀以前の音楽は無抵抗ながら光熱の感じ方がまだまともだった
ピタゴラス由来のプラトンとバッハが商店たちをマイナスの領域に追いやった
以来おだやかさをたもつためのいかりをもった転校生は一人もいない

 

 

 

#poetry #rock musician

なずな

 

小関千恵

 
 

間合いに居た
あの人に会い あの人にも会った

身体の中には木があって
実を獲っては 投げ込んでいた

少し目を閉じている間に
電話は入る

人生ってこんなもんかってくらいで死んでいく

地上の音は
天の岸を打っていますか

無心の波が
立って

間違う身
まちがうみまちがうみ

街が海

間合い
空には
コスモスが咲いて
漠たる不安は毛布となって
何に生きて
何に生きた?

根を切って
なずなを一本 最後に摘んで

つみつづけてつみつづけて

罪続けて

 

 

 

われも静かに

 

駿河昌樹

 
 

大空を
しろい雲が
ゆく

しずかだ

しずかなことだ

あんなふうに
生きていくべきだな
わたしも

しずかに

すこぶるしずかに

 

 

空白空白空白空白空白空白空白空白空白空白空白空白空白空白空白空白空白相馬御風
大空を静かに白き雲は行くわれも静かに生くべかりけり