佐々木 眞
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カツオ「ねえねえ、NHKってまた偽ニュース流したんだって?」
のび太「へええ、ほんとかなあ。誰が言ってるの?」
しずかちゃん「トランプさんよ」
くまモン「でもあのひと、偽大統領なんだよ。知らなかった?」
シャイアン「へえー、そうなんだ」
トト子ちゃん「安倍さんも偽総理大臣なのよ」
おそ松「へえー、そうなんだ。知らなかったなあ」
ワカメ「ISって、偽イスラム国のことでしょ?」
サザエさん「そうよ。満洲国も偽満洲国なのよ」
イクラ「バブー」
イヤミ「ところで、あんた、誰?」
チコちゃん「あらま、わたしのことを知らないの。ボーっと生きてんじゃないよ」
ガチャピン&ムック「こいつ、偽チコちゃんさ」
チコちゃん「平成が終わったら、あんたらは死ぬといい。あんたらの死は近いぞ」
伴淳「アジャパー!」
アチャコ「滅茶苦茶でごじゃりまするがな」
黒柳徹子「チコちゃん、あーた、そんなひどいこと言うと、死んでも『徹子の部屋』で追悼してあげないわよ」
左ト伝「ズビズバー、パパパヤー、やめてケーレ、ゲバゲバ」*
*『老人と子供のポルカ』
作詞作曲/早川博二 歌/左ト伝とひまわりキティーズ
お母さん、イソウロウってなに?
何もしないでおうちに居続ける人のことよ。
ぼく、光触寺と報国寺好きですお。
そうなの。じゃあ行きましょうか?
いやですお。
ぼく、岡田准一になりました。
こんにちは、岡田准一さん。
お父さん、加藤の藤は、藤沢の藤でしょ?
そうだね。
ぼく、藤沢好きですお。
そうなんだ。
ぼく、ふじさん牧場、好きですお。
そうなの? そういう牧場があるの?
ありますよ。
明日は図書館行ってえ、西友行きますお。
分かりました。
どうぞお入りください、どうぞお入りください。
「どうぞお入りください」って誰に言われたの?
小児療育で。
ササキマサミ先生、なんで小児療育やめたの?
定年で、だよ。
ぼく、イクタナオヤ君、好きですお。
イクタ君、どうしてるんだろうね?
わかりませんお。
ぼくは、線香花火、好きですお。
そうか。今年の夏にやろうか。
やらなくていいですお。
太田胃酸、胃が痛いときでしょう?
そうだよ。耕君、胃が痛いの?
痛くないお。
ぼく、オオヤさん、好きですお。
そう、お母さんも。
オオヤさんが「お仕事がんばってね」と言ったお。
そう。良かったね。
お父さん、比嘉さん、泣いてたよ。
そう。「比嘉さん泣くなよ」と言ってあげなよ。
お母さん、おくれてるみたいって、どういうこと?
おくれてることよ。
お父さん、イグサ、水の中でしょう?
そうだね。
証明ってなに?
どうしたらこうなるかっていうことよ。
お母さん、なんとなくって、なに?
お母さん、なんとなく、耕君好きです。
お母さん、集金ってなに?
お金を集めることよ。
お母さん、われらって、なに?
わたしたち、ってことよ。
ぼく、学校、好きですお。
そうなんだ。どこの学校?
鎌倉の。
お父さん、ホームって、とまるところでしょ?
そうだね。
お父さん、ぼく八百屋さん、好きだお。
そうなんだ。
お母さん、お腹いっぱいって、なに?
お腹いっぱい食べることよ。
お父さん、うろついちゃダメでしょう?
そうねえ、うろついちゃダメだよ。
お母さん、髪の毛をバサっとしてください。
はいはい、分かりましたよ。
お母さん、今日トマトシチュウとサケご飯にしてね。
はい、分かりましたよ。
お父さん、埼京線、終点は大宮でしょ?
そうなの?
お母さん、ぼく、ドクダミ好きですお。
そう。お母さんも。
ド、ク、ダ、ミ、好き!
お母さん、一人ぼっちって、なに?
一人だけのことよ。
お母さん、このさい、ってなに?
お母さんはねえ、このさい耕君にも、元気でいてもらいたいのよ。
お母さん、ややこしいって、なに?
ややこしや、ややこしや、のことよ。
ウオーキング、散歩でしょ?
そうだよ。耕君、ウオーキング行かないの?
行きませんよ。ぼく、お仕事しますよ。
そうなんだ。
お母さん、ぼく、タイムショック、好きでしたお。
そうなんだ。
お父さん、ハスはジュンサイに似ているでしょう?
そうだね。似ているね。
お母さん、ぼく、鬼は外、好きですお。
お母さん、平和ってなに?
とてもなごやかで、しあわせなことよ。
西城秀樹、脳梗塞だったの?
そうだよ。
おばあちゃんといっしょですね。
そうだね。
ぼく、キャプテン翼、好きだよ。
そう。
解除って、なに?
もう大丈夫、ってことよ。
なんで信号機切れたの? 大水出たからでしょ?
そうだよ。
比較的って、なに?
くらべてみると、よ。
お母さん、ガチャピンとムック好きですよ。ぼくポンキッキ好きだったんですお。
そうなの。
お母さん、なごむって、なに?
やさしくなることよ。
感じることでしょう。
そうねえ。
湯治場って、なに?
ゆっくりするところよ。
コウ君、血液型、B型なの?
そうよ。いやO型だったかな?
事故に遭ったときに、間違ったやつを輸血されると、ヤバイんじゃないの。
わああ、止めてください。止めてください。
コウ君、大丈夫、大丈夫。地獄耳だね。
おじいちゃん、おばあちゃん、具合悪かったでしょう?
そうね。
トラブルは、故障でしょう?
まあそうだね。
ぬきは、いらないことでしょう?
ぬき? 耕君ぬき、のぬきか。耕君なしで、ってことだよ。
103系すべてうしなわれた、ってなに?
それって何に書いてあったの?
「鉄道ファン」だお。
そうか、103系の電車が全部無くなったということだよ。
頭に入れとくって、なに?
頭のなかで覚えておくってことだよ。
大雨警報解除って、なに?
雨はもう大丈夫、ってことよ。
不思議なことだ。あんなに滅茶苦茶に汚れていた部屋が、私がベッドで眠っている間に、塵一つない整然としたピッカピカの部屋に、生まれ変わっていたのだ。7/1
さるアーチストから連絡が入って、開場寸前の展示会の出品商品を、急遽差し替えることになった。差し替え品には、赤いシールを張り付けることになったのだが、すでに全商品に貼ってあるので、どうしていいか分からず、スタッフは大混乱に陥った。7/2
ラフマニノフの8枚組CDの廉価盤が、タワーとHMⅤの両方から出ているのだが、どちらが安いのかが分からないので、どっちに発注しようかと、迷いに迷う愚かなわたし。7/3
私のライバルの辣腕女プロデューサーは、とても陰険な女性で、上司やスポンサーに、私の悪口をさんざん吹き込んだので、最近はさっぱり仕事もなくなった。このままでは、首を斬られてしまうにちがない。7/4
今夜は満月なので、ドビュッシーが「月の光」を弾いたり、「月光の会」の面々が、月に向って、なにやら叫んでいるようだ。7/5
モザールの「フィガロの結婚」の第4幕の演奏中に、突如R.シュトラウスの「薔薇の騎士」の第3幕が乱入してきたので、オペラハウスは大混乱に陥った。7/6
安倍蚤糞が、国民に薬品の売れ残りの在庫を買い上げるよう、町内会を通じて強制割り当てしてきたので、頭にきた一部の民草は、ついに武装蜂起して蚤糞夫妻を血祭りに上げた。7/7
岩波書店から、子規の3面立体漫画が発売された。1点を中心として3方向に展開される絵巻物なので、3人が同時に読めるが、1人の人が、全部を読み終わるのには、時間がかかる。7/8
その時、俄かに美しい旋律が、私の脳内に湧きおこったので、私はこのメロディを伴奏にしながら、キャメラがヴェネチアの浜辺で遊ぶ幼子の上を、アドリア海に向かって前進していく映像を思い浮かべ、恍惚となった。7/8
確かここら辺に、ワーナー映画の新社屋があるはずだと思って、ビルジングの裏表を歩き廻るのだが、第3次世界大戦後の銀座は、すっかり様子が変わってしまったので、なかなか試写室に辿りつけないでいる。7/8
一度語られた文章は、ただちに一枚の平面と化してしまう。それを、私の手を使ってぢかに修正することは無理なので、器具を用いて、周囲から削ったり、付け加えたりすることしかできない。7/9
ローマでは、(私はまだ行ったことがないのだが)、ホテルのレストランの有名シェフに懇意にしてもらったが、別れしなに「今度来るときは、パイオニアの営業マン抜きで、直接私のところに来なさい」と囁いた。7/9
ここ中国だか、アラビアだかのホテルでは、何を頼んでも、3羽の鶏を持ってくる。赤、青、白の鶏たちは、その3色の組み合わせを巧みに利用して、(私らのリクエストに応えたり応えなかったりしながら)、卵や、オムレツや、スープや、卵焼きなどを、産み落とすのだ。7/10
この魔法のホテルでは、お客が困ったときに備えつけの「アラジンランプ」を押すと、ただちにアラジンが出てきて、いかなるリクエストにも応える、というので、世界中にその名を知られていた。7/11
「どっちにしても、ナミさんは、ミチオについて行ったんですよね」と、その小説を読んだ生徒は、短い感想を述べた。7/12
「大声でしゃべると、それだけで爆発するおそれがある」、というので、わたしらは「ダイジョウブ、ダイジョウブ」とささやきながら、人質の全身に巻かれている爆弾爆発誘導ロープを、ゆっくりゆっくり解いていった。7/13
国民は、国の命令で、おおかたのデータを自発的に抹殺したが、ハメ撮りの生動画だけは残して、ひそかに天井や床下に隠匿した者が多かった。7/14
家族共同で制作した、手作り絵本のダミーを、らんか社のタカハシ社長のところへ持参しようか、それともやめようか、と、悩みながらまんじりともしない間に、夏の熱帯夜は明けていった。7/15
真夜中に物音がするので、階下に降りてみると、ケンの友達のタカギ、オオキ、ヒデポンなど数名が、捨て犬ともども、我が家のタタキに寝転んでいた。7/16
百貨店との取引の改善について、一知半解のうろんな言説を唱えたら、大勢の知人から反論が殺到して、冷汗三斗だった。7/17
韓国へ行った時に、赤い壺をお土産にして「これは、日帝が朝鮮半島を侵略したおりの、血染めの壺だよ」と説明したのだが、誰も喜ばなかった。7/18
私は、その超大物ⅤIPの殺害に失敗した。しかし、その後ある女が、そいつを見事に仕留めたのだが、官憲に逮捕され、裁判の結果、ただちに死刑に処されてしまった。7/19
こないだやっつけたはずの男が、まだ生きていて、部落ではたったひとつしかない、泉の水を飲ませろ、というたので、問答無用と、カノン砲で粉砕してやった。7/20
何とかして、その女の気を惹こうと、いろいろ働きかけたり、欲しいというものは何でも買い与えたが、それがすべて逆効果となり、彼女は、若い男の誘いに乗って、どこか遠いところへ逃げて行った。7/21
胸を張って、「私は、常に自分に嘘のない仕事をしてきたつもりです」と語るサクライ氏の背後の塀のブロックには、彼のこれまでの業績が、具体的かつカラフルに、一枚一枚表示してあった。7/22
わいらあ、すべてをみそなわす、在天の法王様の軍隊によって、ギタギタに粉砕されてしもうたんや。7/23
私が、早撃ち王であることを自覚したのは、たまたま出場した、村の早撃ち大会で、優勝してからのことだった。7/25
東京から大阪に出張したら、予想以上の暑さなので、熱中症になってしまい、白昼の太陽がくわっと照るつける御堂筋を、よろよろ歩いている。このままでは、死んでしまうに違いない、と思いつつ、それでも、よろよろ歩いている。7/26
東京駅からスカ線に乗って、鎌倉まで帰ってきた私は、網棚から荷物を降ろそうとしたのだが、同じような紙袋が、ぎっしり横一列に並んでいるので、どれが私のペーパーバッグなのか、てんで分からない。はてさて、困った困った。7/27
オペラハウスに入ると、座付きの管弦楽団が、マーラーの最後の交響曲を演奏していた。ただ私ひとりのために。7/28
世の中がだんだん不景気になってきたので、わが社では、請求書の金額欄を3行にして、1行目は本体価格、2行目は消費税、3行目はカンパ指定金額を書くことにした。7/29
あれから30年、僕はすっかり腐敗堕落したカメラマンになり下がってしまい、顧客がリクエストしたものを、そのとおりに撮影するだけの、ロボットのような存在になってしまった。7/30
あまりにも暑いので、これはもしかすると熱中症で死んでしまうぞ、と思いながら寝ていたら、誰かがエアコンのスイッチを入れたようで、部屋の片隅から涼風が入り込んできたので、一息つくことができた。7/31