ひかりを飲む

 

きのう
ねむるまえに

ゴンチチのギターで
ロミオとジュリエットを聴いた


目覚めて

窓をあけて
また

ロミオとジュリエットを聴く

仏壇に
水とお茶とごはんを供えて

線香をたて

義母と
女と
犬と
わたしのことも

祈った

それから子供たちや家族たちやあのひとのこと

遠い
友たちのことも

祈った

毎朝
そうしている

それからモコを連れてゴミを出しにいった

近所の家の庭には
紫色のあじさいの花が咲きはじめてた

目がひかりを
飲む

ひかりをのんでいる

 

 

 

日々のなかにあって

 

ヒヨコブタ

 
 

過ぎ去ってしまう
わたしとあった日常
ともにあったと錯覚したものたち
どこへいったろう
ときどき混乱し思考のなかに探し求めようと

する

かつてのどこかに置き忘れたならそこで誰かに拾われてほしい
のか
うちすてられたいものもある
のか

いいえもしそうならむかえにいきたいと

当然のような人生の夢は叶いましたか
あなたやあなたのなかで
わたしはずいぶん周回遅れで走っているようで
そのあいだにずいぶんと

これはペナルティなのだろうか
いいえおそらくは走り終えるまでほんとうにわからないだろうと
わたしは保留する
走り終えたとき見える景色は
どんなことでもごまかしようがないと
きりきりいたむ足も頭もすべて
なだめすかして

わたしの意思でおいてきたのかもしれない
置き忘れたというなにかをほんとうには
その可能性からひろがる世界に
またぼんやり歩み出せるように
ひたすら願う