東京の勤め人は大変だろうな *

 

雨は止んでた


仏壇の花の水をかえ

水とお茶とご飯を供えた
線香をあげた

線香をあげて
女は

出かけて行った

モコと
見送った

車のガラスの向こうで
横顔が

過ぎていった
それから

皿を洗う
洗濯をする

洗濯物を干す

東京の勤め人は大変だろうな *

東京で
働いたことがある

毎日

夜遅くまで働いた
長い電車に乗った

別の女と
住んで

子どもが生まれた

時間を無駄にしたとはいわない

 

* 工藤冬里の詩「十一月ソノ二」からの引用