広瀬 勉
「新型肺炎 国内感染が広がる」という見出しが新聞の一面に大きく出ていた。
ここのところテレビも新聞も中国から世界に拡散する新型コロナウイルスの感染被害について報じている。
ついに日本でも感染者は338人(2月16日現在)という、テレビで専門家はすでに数千の規模で日本でも感染者がいるだろうとコメントしていた。
中国では感染者が6万8,500人となり死者数がすでに1,665人だという。毎日100人以上が死んで行く。
最近では外出の際にはマスクをするようにしていた。
感染するのが怖いし他人に染すのも嫌だ。
ところでウイルスの直径は0.1マイクロメートルで、
1マイクロメートルは0.001ミリメートル、
マスクの網目は10マイクロメートル、
マスクの網目はウイルスの100倍も大きいのだから、おそらく、あまり、予防効果は無いだろうなと思いながら他人を怖がらせないためにマスクをしているようなところも自分にはあるのかな。
それで、日本ではマスクが品薄なのだという。
横浜港に停泊中の大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の乗員3,700人には感染が広がり、285人がすでに感染していて日々感染がひろがっているのだという。
それでアメリカは自国民、約380人をチャーター機で退避させるのだという。
アメリカや各国のメディアは「(日本政府の検疫は)感染を止めるものではなく、船内で感染を広げているという証拠が山ほどある」と専門家のコメントを紹介し日本を批判しているのだと新聞には書かれていた。
新型肺炎だけではなく、
中東やアフリカの紛争、難民、温暖化、気候変動、森林火災、環境汚染、経済の不安定化、などなど、
世界には問題が山積している。
全て、人間の問題だ。
地球という宇宙にとっては人間がもっとも危険な害毒であるのだろう。
そろそろ人間というリスクをどのように回避するのかを考えはじめているのだろうか。
そんなことを思いながら雨の日曜日、浜辺に出かけていった。
海浜公園には人影がなかった。
マリーナの隣の堤防で何人か釣りをしていた。
西の山が雨に霞んでいた。
水平線が横に伸びていた。
マスク外して海をみていた。
今朝の朝日俳壇の俳句を思いだしていた。
旅人の如くマスク探しけり *
さいたま市の齊藤紀子さんという方の句だった。
われわれはマスクを持たない旅人でありましょう。
明日さえも今日さえもわからない小さな旅人でありましょう。
あきれて物も言えません。
あきれて物も言えません。
作画解説 さとう三千魚
* 朝日新聞 2020年2月16日「朝日俳壇」からの引用