水仙の花の、咲いてる 04

 

さとう三千魚

 
 

朝には

本の
部屋の窓を開ける

窓辺に

小鳥の
餌をやる

ほとんどが雀たちだが
メジロも来たことがあった

昨日
家のまえの

水仙の花はまだ
咲いてた

ひとつは
若く

もうひとつは
老いて

花房の天辺が茶色く乾いて
萎れていた

菜の花も咲きはじめている

いない義母の沈丁花の花も咲いている
幽かに香っている

部屋に帰って
マリア・ユーディナの弾くピアノを聴いた

6つの小さな曲だった

そこにいた
そこにヒトはいた

うれしかった
うれしかった

 

 

 

#poetry #no poetry,no life