青痣

 

クイーカ

 
 

耳鳴りに突きつけられた犇めく闇の 青痣
かの燭台にはシナプスの火花が 
絶えることなくくべられている
棒と思えば振りかざせるあれを
食らったつもりで死んじゃえる私の一つの認識で
終わらせた世界のベン図のとりうる有効射程は
眼球の裏側
に過ぎなかったのだ

終わらないグラデーションを揺蕩い
数限りない瓦礫の積み木に一縷のインスピレーションを掴んだ
そんな日々を慰撫する如く
内側に丸まりだした自我
破瓜せよと 喚く赤い理性も背いて
埋めたての瘡蓋を剥がして
新しくすることだけ

ああ 青くなるまで撫でてくれ!
赤く噴き出さないように そっと 
殺さないように殺ぎ続けてくれ ずっと
その 棚に並んだ石鹸のような笑みで

何番煎じの生活だろう
上京
狂騒
ハイドアンドシーク
白線の外を怖がる小学生に
いつの間にか同調していた

ランドセル     
        ≪ が 鳴く≫

干潟 どこ までも
幸せを噛みしめたなら奥歯に埋まったスイッチが押されて
滲みだした水位で簡単に溺れる
そんな予感が僕を
蟻みたいに僕に舟を編ませている

どこへも行かなくていいように
深く深く錨を下ろして
昼寝するだけの舟があったら

青くなるまで撫でてくれ
脆くも崩れ落ちないように そっと 
溺れないように泳がせてくれ ずっと

青くなるまで!
この星が蒼くなるまで
青くなるまで
見えない手の平は転がし続けるだろう

俺たちをだよ

出られない
出られなかったいくつもの雲たちが
涙となり土に消え
目玉を遂に抜けました

そんな寓話に託すべき夢を
視るために瞼を閉じる
瞼を見ている
犇めく闇の 青痣

26時
長針が徐に首を垂れる
祈りが 下りていく

断崖に沿い
吹き抜ける 文字という文字

その向こう
うらら靡く黒いシーツ

誘われるように
洗われるように
救われるように
沈み込んでみたとしたら