さとう三千魚
もう
一昨日か
京成立石の
墓に
芍薬の
花を立てた
緋色の
花を立てた
線香の
束を燃やした
墓石にビールをかけた
青空に
雲は流れていた
きみはいつか
言ったね
“ひかりだね”
そう
電話で
言ったね
そのことを
“無名な平凡”と言ったことが
ぼくには
あった
いつか
そこへ行く
芍薬は不思議な花だね
一本の真っ直ぐな茎の先に大きな花が空を見上げてる
そこへ行く
* 高橋悠治のCD「サティ・ピアノ曲集 02 諧謔の時代」”気難しいしゃれ者の三つのお上品なワルツ” より
#poetry #no poetry,no life