さとう三千魚
モコは
いないから
居間のソファーの
モコの
傍らにいる
ことももうない
仏間の
小机の
本や
資料を
二階にあげた
二階の机の上の積まれた本を下ろした
この半年
二階の部屋は使わなかった
ダンボールは畳んで
クルマのトランクに積んだ
ホームセンターのリサイクル置き場に出した
海を見にいった
フロントガラスの向こうに
半島はいた
貨物船は浮かんでいた
水平線が光っていた
海から帰って
ベッドに大の字に眠った
呻いてた
なぜ呻くのか
わからない
夢なのか
憶えていない
ベッドから起きると羽毛布団は体の形に凹んでいた
体の形の凹みを見ていた
#poetry #no poetry,no life