地面 ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 98     saki さんへ

さとう三千魚

 
 

そこに
いた

やわらかい
耳のように

地上に
いた

風にふるえていた
光っていた

ラムズイヤー
わたしの花です

 
 

***memo.

2024年9月15日(日)、
松山 “Utaco Drip”にて、「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」第28回で作った98個めの即詩です。

タイトル ” 地面 ”
好きな花 ” ラムズイヤー ”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

朝潮

 

道 ケージ

 
 

朝まだき
朝つゆ冷たく
朝ぼらけ
朝潮が死んだ

そんな電車道
突っ張っても
寄り切っても

腰割れの
北の海では
比喩は溺れる

花と山が多すぎる
生きる重みをためすぎて
椿の髷が口に入る

チチカカの塩は、体に悪い
取れないので肉をつかむ
比較的痛い

もうやめにしたい
誰も言えない

塩塩のパー
手をついた

 

 

 

33 ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 97     megumi さんへ

さとう三千魚

 
 

牡丹かと
思った

きみは
ピンクの

おおきな花ひらいていた

夏の終わりに
咲いてた

ピンクの花
おおきなめぐみ

 
 

***memo.

2024年9月15日(日)、
松山 “Utaco Drip”にて、「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」第28回で作った97個めの即詩です。

タイトル ” 33 ”
好きな花 ” 芍薬(ピンクの) ”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

HAPPY ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 96     tatsuki さんへ

さとう三千魚

 
 

じつは
つらかった

ながいこと
つらいこと

あった

でも
いま

ここが
しあわせ

たんぽぽの花が

咲いている

 
 

***memo.

2024年9月15日(日)、
松山 “Utaco Drip”にて、「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」第28回で作った96個めの即詩です。

タイトル ” HAPPY ”
好きな花 ” たんぽぽ ”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

猫いない **

 

さとう三千魚

 
 

さっき

テーブルの
下を

通っていった

白と黒の
うしろ姿を残して

いった

猫いない
もういない

 

・・・

 

** この詩は、
2024年9月20日 金曜日に、書肆「猫に縁側」にて開催された「やさしい詩のつどい」第9回で、参加された皆さんと一緒にさとうが即興で書いた詩です。

 

 

 

#poetry #no poetry,no life