Cease to exist

 

工藤冬里

 
 

7番目の野獣の日に、地球上ほぼどこででも手に入るものはコカコーラと英語だ。On the Seventh Beast Day, Coca-Cola and English are available almost everywhere on earth. good luck your lack of goodluck

もう試合は終わっている
和製英語で言うロスタイム、今はadditional timeと言うらしいがそれでも無謀なシュートは打たない

演奏前の介入には健気に耐えたが、演奏後の演奏を室野井は毛嫌いしていた
空気感が変わって場の仕舞いがつかなくなるからだと彼女は言った
音は返ってこないが漂っているという考え方は周波に限ってはきっと正しいのだろう

この虹を渡ってはなかなか良かったですよ。先導する美紀子さんのジャズマスターがいい音を出しています。途中の528Hzへの切り替えの決断と再開のタイミングもいいです。
https://torikudo.bandcamp.com/track/over-the-rainbow
こういった場合、上手い下手は全く関係なくなっていると思います。コンサートという形式も意味がありません。誰が作ったかも関係ありません。松明のようなリアルだけが文化の終わりを照らします。

94年に導入されたネオニコ系農薬でミツバチが激減し、浜名湖からはウナギがいなくなった
温暖化への脅迫は祈りの周波の束にまで及ぶ。悲しみが雨を降らせた、と。
野獣にはそのようにして動機を入れる。頭蓋の蓋を開けて流し込むレッドブルのように。
ヒットエンドラン
ヒットエンドラン
龍も野獣も多頭症


サーファーとしてのお前も百点だろう
そして今回も何かが足りないままだ
今度会う時は一万点のお前でいてくれ
朝霧の症例が明らかになるにつれ、我々はこれはADHD治療を主題にしたマンガなんだと気付く。そして身近な多動症成人の顔が脳裏を過ぎる。

Cease to exist

高台に逃れたが
あれは
なんだったのだろうか
下の方に見えたきみに会えなくなったあれは

枝豆がバラけたビニール袋から
タッパーに入れたタブレットをまた出して連絡しようとして手間取っていると
映画を右にスライドさせろと何回も言われた
後ろを叩けとも

さっきまで行くところもないし話すこともない、と喋っていた
あれはなんだったのだろうか
きみに会えなくなったあれは

実現しているのを見ているから
山は
切り倒された統治
顔と名前を覚えないまま
伝えたいと思うようになる
救いに行く
スーパーマンと夜空
昏くないということですね
流行病と食糧不足がある
ジェネレーションZ的な受け答え、
どんなに能力があっても自分の力で得られるものではない
水だけではなく光が必要
光の働きとは
言葉を自分の家にする働き
自分をずらして照準を合わせる働き
全体像を見せて教える働きと
思い起こさせる働き
ほとんどのことは思い出すことで解決する
自分をずらして照準を合わせる綱引きによって目を閉じれば窓は菱形
光を悲しませてはならない
チェックリスト Έφεσος4
登り直す必要はない

認知で死に洩れると余計な思い出がクッションみたいに挟まって生とエレメンツの汽水域の無惨が悲しみを減らそうとする
それでも物質に戻る直前の意識について人々は論(アゲツラ)う。マッチを擦る度に臨終を思い出し、街の灯りが消える毎に淋しさが募るのはそのためだ。

気後れすることなく活用してほしい
話しかける能力は贈り物
片割れの死
その場に合った励ましの言葉
エリフは聞き流すことはしないで自分を与え相手のためになることを話した
ヨブが答えなかったのは同意して泣いていたからかもしれない

 

 

 

#poetry #rock musician

また旅だより 39

 

尾仲浩二

 
 

三重からの帰りは中央線経由で新宿へ戻ることにした。
なんとなく薮原という駅で途中下車。
次の電車までは二時間ある。
小さな集落はすぐに歩き終わってしまった。
昨夜の残りの焼き芋をホームで食べる。
今年の秋は気持ちのいい空が続いている。

2021年11月2日 長野県木祖村にて

 

 

 

 

ソシラヌふりはできない

 

南 椌椌

 
 


© kuukuu

 

庭の枯れ葉を掃いてゴミ袋に詰めて
ふたつみっつ重ねてるうちに
もうなにも言わずに過ごしたいという思いが
大きくなったのは本当です

10月18日から30日までは喋りすぎた
個展「ソシラヌ広場」を開催中であり
コロナ感染激減の朗報もあってか
連日、多くの旧友知人が
ギャラリーに甘い蜜をそそいでくれて
ワタクシは蜜をくらって喉をうるおし
元気そうだね お互いによかった
テラコッタコラージュのこと
飲食店の危機 まめ蔵大丈夫だったか
健勝の友の噂 死んでしまった友のこと
これからどんな作品に向かうの 
次から次に話題がころがり
おしゃべりは掠れ掠れてよどみつつも
途切れては また果てしない

旧交を温めるというのは大切なことだが
毎日温めすぎると おまえはいったい誰だ?
ギャラリーを出て 火照ったワタクシに
吹きすぎる秋風がささやいたりする

昔、明石の蔵元を出たところで
おまえは友だち作るために生きてると
ほろ酔いの悪友に半分は図星
愛をこめて馬鹿にされたことを思い出す
また別の悪友の幼かった息子に
そんなこたあどうだっていいだろ!と
あらゆる局面で使いたくなる卓見を戴いたことも思い出す

喋りたいことがあるうちは喋る
喋るうちに思い出すことの量
喋るうちに破棄される思い出の量
喋るうちに先送りされる老いの暗証
そんなこたあどうだっていいだろ!と
幼かった彼に叱責されるのがオチだけど
ソシラヌふりなど出来るわけがない

庭の枯れ葉を掃いてゴミ袋に詰めて
ふたつみっつ重ねてるうちに
なにも言わずに過ごしたいという思いが
大きくなったのは本当です

 

 

 

さち

 

山本育夫

 
 

たったっ たったっ
あしおと か おいついてくる
たれの おとか 
ふとうはたけ の なかのみち
おいつき おいこされる る
おいこしていったのは たれ? 
うしろすかた しか みえなかった た
たったっ たった

たれか か うたっている る
こえか つきに おいかけてきた ららら

いつも なにかか おいかけてきて
おいついて おいこしていく くくく

ゆめは はかない と
たとぅー を いれた ちふさ か
ゆれている んたろうね
そのたひに

そのたひに さちあれ れ

とおい ていほう から
いぬとひとと こちらを
みている 

みんなに
さちあれ 

 

 

 

用雙重的季節向妳致意。
二つに重なる季節の挨拶を君に贈る。

 

Sanmu CHEN / 陳式森

 
 

等一等,黑沉沉的玫瑰;
重傷的青銅已沉默不歌。
不辭的心充盈着秋闇的餘輝。

等一等,賦格的玫瑰;
醉舟離開妳睫毛的星座
離開星星的群島。

等一等,不眠的玫瑰;
詩節骨離,杯酒往何處?
最 !
瀝血的刻度寸斷象牙。

以後,我詩中的玫瑰不再是玫瑰。

 

 

等一等,黑沉沉的玫瑰;
 待ってくれ、黒々としたバラよ;
重傷的青銅已沉默不歌。
 深く傷ついたブロンズはもう沈黙して歌わない。
不辭的心充盈着秋闇的餘輝。
 諦めない心は秋の闇の余韻に満たされている。

等一等,賦格的玫瑰;
 待ってくれ、フーガのバラよ;
醉舟離開妳睫毛的星座
 酔いどれ船は君のまつげの星座を離れ、
離開星星的群島。
 星の島々を離れる。

等一等,不眠的玫瑰;
 待ってくれ、眠らぬバラよ;
詩節骨離,杯酒往何處?
 詩片はバラバラになり、グラスの酒はどこに向かうのか。
最 !
 最高じゃないか!
瀝血的刻度寸斷象牙。
 血の滴る目盛りは、象牙を寸断する。

以後,我詩中的玫瑰不再是玫瑰。
 これから、私の詩の中のバラは、もうバラではない。

 
日本語訳:ぐるーぷ・とりつ