原田淳子
白火
水にしづみながら
空が美しくみえるまで
結着の地を彷徨う
脚の砕けた骨に火を灯す
溶けてゆく型
哀しみも歓びも
蝋とともに交じり合う
痛みは火で治癒される
夢が過去に殺されぬように
“I do not associate with deceitful men,
And I avoid those who hide what they are.”
賢く、芳醇な人を欺く技術から
その者たちから
わたしは最も逃れていたい
肌で、凍え死ぬとしても
焔が照らすのは
まだ触れられたことのない光の野
絶対零度の消失点