一条美由紀
6畳の箱に住む住人
ゲームの山は優しく、
震える声は希望なのか
怒号ばかりの画面に、自分は
何者かに変わっていく。
怖さの中に
全てを簡単に単純に
ただ過ごしていく。
理想を追うほどに人は追い詰められる
最初は他人を否定し、
次に自分を否定して闇に閉じ込められる
だが、追いかけてきた先にドアはいくつか開かれている
半透明の子供が通り過ぎる
背中に落ちた枯れ葉が重い
石畳は過去の匂いを放つ
鬼は人間をバクバク食べるのが好き。
人間の悲鳴もちょいとしたスパイスだ。
ある時変な人間を食べてしまった。
そいつは食べてくれてありがとうといい、
そいつを噛み砕いている時、
うふふ、うふふと喜んでいた。
何十年何百年と年月は過ぎていったが、
鬼はあの人間の喜ぶ声が忘れられなくて、
ある日あの人間に変わってしまい、
食べてくれる鬼を探し続けることとなった。
言葉を探すのはつらい
考えてる時、頭の中に言葉はない
感覚の湖の中にドブんと沈み込み
そこでキラキラしたものを探してる
言葉で現実に戻そうとしたって
言葉は嘘つきだから
キライ
私が猫だったら、
いつも可愛い可愛いと言ってくれるのかな。
うっかりあなたの大切なものを壊しても
仕方ないか、猫だもの。と言って許してくれる。
私が猫だったら、
いつも側に来て優しく撫でてくれるのかな。
そしていつかあなたより先に死んでいっても
あなたには私との美しい思い出しか残らないのだ。