daily beast

 

工藤冬里

 
 

夢の中では突飛なことが起こる
主体の感情はそのままなので
胸が張り裂けそうで苦しい
大体それはオールナイトの三本立てである
そこでは善悪と欲望が錯綜している

現実の細い畦道には彼岸花のリゾームが張り巡らされている
包丁を持って押し掛ける議事堂という隣人を俯瞰し
白鷺は旅立った 
祈りの聞かれるミジンコ型の島へ

テレグラムで詩編二三編を引用するリンウッドは
夢の中にいる
現実を剥がしたプリント基板に
銀杏の葉が半田付けされている

 

 

 

#poetry #rock musician

また旅だより 29

 

尾仲浩二

 
 

フランスのビジュアル雑誌から作品掲載の依頼がきた。
どうしてこんなものを面白がるのかと作った本人が言うのもおかしなセレクトで
ならばこんなのはどうかと送ったら、Great!と帰ってきた。
今年もなんとか楽しくやれそうだ。

2021年1月15日 東京、自宅の暗室にて

 

 

 

 

I have been there scores of times.
私はたびたびそこへ行った事がある。 *

 

さとう三千魚

 
 

when I open the window

under the clear sky
there is the west mountains

there is the ultramarine west mountains

outside the window
the electric wire runs horizontally

always
the sparrows are perched there

even now
one bird

the sparrow is coming

always come a lot
noisy

one sparrow does not ring
looking here

turn the neck
in the sun

there is a forest in front of the ultramarine mountain
will be a forest there

I have been there scores of times *

 
 

窓を
開けると

晴れた空の下に

西の山がいる
群青色の西の山が

いる

窓の外には
電線が水平に渡っていて

いつも
雀たちがとまっている

いまも
ひとり

きている

いつもたくさんきて
やかましいが

ひとりの雀は鳴かない
こちらを見ている

首をまわし
陽を浴びている

群青色の山の手前には
林が

ひろがっているだろう

私はたびたびそこへ行った事がある *

 

 

* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life