今年もくれてゆくこと、述懐するのは

 

ヒヨコブタ

 
 

黄色く色づいた葉を眺めるとこころおちついていたのがすっかり落ち
真青の空に枝が広がる
ニュースは悲しいことも多くて
笑ってばかりもいられない

ひょんなきっかけで読み始めた作家の著作を、どんとまとめ買いし少しずつ毎日暑い読んではクスリとしたりゾッとしたりしている
わたしは、ねじ曲がった人が好きなのだろう
主人公の名前たちの強さと曲がりかたに
わくわくもする

出汁と大量の野菜たちと取り組む年末が来て
どうやら今年もなんとか越せるかもしれないと安堵している
毎年、一年一年少しずつだけれど
変化するさまざまに
振り回され楽しみ悲しみながら今年も過ぎた
来年がどうなるかは
本の中の主人公たちのように
結果を知るのはずいぶん先だろうか
ゆっくり、できるなら、ゆっくり生きていたいと心から願う

この町では除夜の鐘が聴こえない
雪もしんしん積もらない
それでもわたしは
聞こえない除夜の鐘を聴き
雪を踏みしめるだろう
うっすら夢現に