覚醒

 

たいい りょう

 
 

削っても 削っても
皮の下から 流れ出るのは
赤い血でしかない

蛆虫どもの蔓延る
この闇夜で
わたしは 目を閉じて
魔性の声に 耳を澄ましていた

赤い血は とめどなく 流れ続けた
まるで マグマが吹き出すように

わたしの意識は 朦朧とし 混濁し始めた

浮かんでは沈む 言葉の海のなかに
溺れていた

そして 痛みとともに すべての記憶が
覚醒した

 

 

 

ひとと会う **

 

さとう三千魚

 
 

詩を
読みたいのか

詩を書きたいのか

詩に
会いたいのか

どう
なんだろう

猫のいる
本屋で

ひとと会っている

 

** この詩は、
2024年1月31日 水曜日に、書肆「猫に縁側」にて開催された「やさしい詩のつどい」第1回で、参加された皆さんと一緒にさとうが即興で書いた詩です。

 

 

 

#poetry #no poetry,no life