路子/みち/こ

 

長谷川哲士

 
 

寂雨が路を潤す
身がもたないと
命の葉っぱが
揺れながら
落ちようとする

葉っぱには名前が有る
路には名前が無い

有るから無いへの
引っ越しは辛い

せめて下からの
風など吹いてもらって
浮遊してみたい
などなど願望するが

吹上の風は
婦人のスカート
めくりあげて
ふふふと笑って去る

路だけうねり続いて
時折穴ぼこがある
どうしても雨止まぬ
何となく寂しくて
鼻水上下してる

 

 

 

shelter from the storm

 

工藤冬里

 
 

義の信用貸しなどと云われなくなったんだね
給料は当然の報酬
正しいと見做されたのは
法律を破らなかったからではない
法律がなかったころのはなしだからだ
自力で補填したのではないにしても
負債がないというのはすばらしいことだ
ウシジマくんが貸した人に金を渡して、「これで払え」と言っているようなものだ
当たり前のことじゃないよね
ATMから金が出てくるっていうのは
不当なやさしさundeserved kindnessが出てくるっていうのは

 

 

 

#poetry #rock musician