千円カット

 

工藤冬里

 
 

床屋の日常などない
黒髪も白髪も
共に落ち
吹かれるか吸われるか
籾殻のように跡形もなく
かつておれが坐っていた日常は
高さを調整されて
静止している

動脈静脈の絡み合いで
やっと直立していた
観葉植物の猿人は
マンドレイクという名で
令和姫とレイチェルはスーパーで彼を根こそぎ争奪し合い
お蔭で地球は空洞になってしまった
ジルパとビルハは軽くなった腹を撫で回し
GIFにもされなかった自分たちの気楽を啜った
ジルパもビルハも
借り腹の絡み合いの紐を
立体にしたのだ
それをカットしたのはおれだった

かつておれが坐っていた日常は
いまや正しさを調整されて
絡み合いながら静止している

 

 

 
#poetry #rock musician

 

工藤冬里

 
 

最後の日に
disった
素麺は
フックだけ残して
降りかかる
刺さる
神社は無くなる
黄色に白の腹

頂以外
大きすぎて
人だかりする
懐の翳
コロナ離婚の輪の
泡(アブク)としての
額のない
耳鳴りのなかで
「五輪終です

外側も清めず
内側も清めない
そんなことまで自分で決めた
雨に滲むピンク

あなた、ぶちとまだらの羊,焦げ茶色の若い雄羊,まだらとぶちの雌ヤギ
一人称のあなたがたの袖を掴んで
「一緒に行かせてください
「別にしてください
袖をつかんで「いかせて欲しい
「別々に住む人を探しているんです
国民が絡むと一人を複数系で呼ぶ
外側も飲み内側も飲む
なら容赦されない
他の人より沢山クッキーを食べるわたしに
別の家に住むことを
それがねー
いい感じなのー
とか勧めたりはしない
人に知らせたりしない
同好会を立ち上げたりしない
わたしも間違いをさせたくないからいいねしない
いわれを問わない
あなたはかつて素麺の言葉をフックに吊るしかけた

いわれを問われるはよい。問われるままに、こたえる都であったから。笠をぬぎ、膝へ伏せて答えた。重ねて北條と。かどごとに笠を伏せ、南北に大路をくぐりぬけた。都と姓名の、そのいわれを問われるままに。

だがいわれを問われるはよくない。問われるままには、こたええぬ都であったから。笠をぬぎ、膝へ伏せて答えなかった。重ねて北條と。あなたはかどごとに笠を伏せ、南北に大路をくぐりぬけられなかった。都と姓名の、そのいわれを問われるままに、こたえることはΠνεῦμα ἅγιον(Pnevma ágion)に逆らうことだった。
ほめないならあなたのためになる
ほめられるあなたもほめるわたしもさいごまでΠιστός(pistos)を保たなければならないことを理解している
数が増えているということは
心配する必要はない
疾患のために信じていることもあるからだ
集計には選ばれたと思い込んでいるあなたの数も含まれている
残っているあなたの数は分からない
給食センターのバイトに遅れて来たのに一万もらったあなたの
ぶちとまだらの羊,焦げ茶色の若い雄羊,まだらとぶちの雌ヤギ
あなたが都にいくことの
いわれを問うてはならない

 

 

 
#poetry #rock musician

colloquial・口語(体)の *

 

さとう三千魚

 
 

新しい
感染症で

たくさん
ヒトが死んでいるという

中国や
イタリアや
アメリカや

日本で

ほかの国でも
ヒトが死んでいるという

いつか
死ぬんだから

みんな死んでしまえ

とは
思わない

今朝
ぼくのモコに

おはようといった

口語でいった

今日も
窓を開けて

西の山をみている
雨に霞んでいる

白い

 

 

*タイトルは、twitterの「楽しい英単語」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life