アンディーの気苦労1

 

工藤冬里

 
 

アンディーの人生は災い続きだった

最初はすべてのパブリッシングの行間や盤の溝の隙間が様式美として血に浸された
生者が死者に変わったことをメディアも故意に暴露してみせた
アンディーもゾンビに馴れた

次に死ねない死者が死んだ死者を主体の無いシュタイナーの薄笑いで薄めた
価値を減ずる地域通貨が畑の宝をデポジットとして要求した
アンディーも理科室でカエルの腿肉を焼いて食べてみせたことがあるが級友の叫びが授業料だった

それから土が棘となりパンデミックとなった
黒死病ルネサンスの鳥のマスクもアマビエもマニエリスムの病棟に埋もれた
アンディーも加計学園で生物兵器を作った

その後第二波が来てすべての芸能は潰れた
今度は製薬会社も操作できなかった
アンディーはバリアム中毒だったが妻は違った

続く

 

 

 

#poetry #rock musician

また旅だより 23

 

尾仲浩二

 
 

そっと東京を抜け出して北の国へ行った。
テレビでは日本中が大雨で大変なことになって
東京での今日の感染者は二百人を超えたと言っている。
仕事だからしかたないと自分に言い聞かせても
ちいさな町でよそ者がカメラをさげてうろうろするのは気がひける。
駅前の温泉宿の窓を開け、時々走る列車の音を楽しみながら
ホタテクリームコロッケ、オーシャンサラダ、軟骨つくね、ひじき
それに赤ワインとスーパーの惣菜で早々と晩酌をはじめた。

2020年7月8日 北海道江部乙にて

 

 

 

 

solely・ただたんに まったく

 

Michio Sato

 
 

At midnight
dog

Barking

Neighborhood
It’s a connected dog.

A black dog is connected to the door of a neighborhood house

Barking

That dog does big shit

I can hear the noise on the highway

insect voice
hear

daytime
first

cicada

voice

I heard

If humans are also connected, it will happen

That’s why Hong Kong people protest

Simply

Called Psyche

The person is there

 

 

深夜に
犬の

吠えている

近所の
繋がれた

犬だろう

黒い犬が

近所の家の玄関に繋がれている

吠えている

大きな糞を
する

高速道の騒音が聴こえる

虫の声が
聴こえる

昼間
はじめて

蝉の

声を

聴いた

ヒトも
繋がれたらそうなる

だから香港人たちは抗議する

ただたんに

プシュケー
という

そこにいる

 

 

*タイトルは、twitterの「楽しい英単語」さんから引用させていただきました.